研究課題/領域番号 |
06555271
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三上 幸一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10157448)
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研究分担者 |
丸田 順道 セントラル硝子, 東京研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | フッ素化合物 / 不斉触媒 / チタン錯体 / エン反応 / Diels-Alder反応 / アルドール反応 / 強誘電性液晶 / 反強誘電性液晶 / 光学活性含フッ素有機化合物 / エナンチオ選択性 / 不斉炭素・炭素結合生成反応 |
研究概要 |
近年、光学活性含フッ素有機化合物(“flustrate" : fluorine containing substrate)の顕著な生理活性あるいは物理特性が注目を集め、それらの効率的かつ実用的な不斉合成法の開発は、今日の有機合成化学における重要課題の一つとなっている。従来、光学活性含フッ素化合物の不斉合成は光学活性非フッ素化合物の直接的フッ素化法、あるいは酵素、微生物による生物化学的光学分割法など主に二つのアプローチによってなされていた。しかしながら最近急速に発展した非フッ素化合物の不斉合成法に比較すると、フッ素化合物の不斉合成法は大きく遅れをとっていると言わざるを得ない。特に、不斉金属錯体触媒による純化学的不斉合成法は効率、実用性の面で優れているにもかかわらず、含フッ素化合物の不斉合成に応用した例はほとんど報告されていない。従って、有機フッ素化学の分野にこうした非フッ素化合物の触媒的不斉合成法の成果を導入することは、有機合成化学者の急務であると言っても過言ではない。申請者らは、ここ数年、効率的な不斉合成法の開発を目指し、不斉触媒による不斉炭素-炭素結合生成(CCF)反応の開発に取り組んできた。特に、光学活性ジオールを配位子とするチタン錯体はエン反応、(ヘテロ)Diels-Alder反応、あるいはアルドール反応など有用なCCF反応の極めて有効な不斉触媒となることを明らかにしている。そこで本研究では、ここ数年来申請者らが開発してきた不斉触媒的CCF反応における豊富な経験と実績を生かして、効率的かつ実用的な光学活性含フッ素化合物の触媒的不斉合成法を開発することを目的とした。本申請研究期間では、不斉チタン錯体を用いる不斉触媒的CCF反応によって不斉点の構築と同時に適切な位置に官能基を導入し、高い光学純度でフッ素化合物を不斉合成することに成功した。さらに、生成物であるフッ素化合物を従来の合成化学的な手段によって化学変換することができ、強誘電性、反強誘電性液晶材料へと導くことができた。
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