配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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研究概要 |
申請者らは、主に優先晶出法やジアステレオマ-分別結晶法などの結晶化を経由して光学活性体を得る方法について研究してきた。抗炎症剤イブプロフェンの光学分割剤として有用な3-メチル-2-フェニル-1-ブチルアミンのp-トルエンスルホン酸塩などを優先晶出法によって光学分割できることを見いだした。さらに、エリトロー2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノールを2-オキソ-4,5-ジフェニル-1,3-オキサゾリジンに誘導することにより優先晶出法によって光学分割できることも明らかにした。また、塩基性光学分割剤として、2-アリール-3-メチルブチルアミン類などの調整法と利用法を開拓した。一方、酸性分割剤としては、2-フェニルプロピオン酸などを原料に用いて、2-フェニルプロパンスルホン酸などの強酸性キラルスルホン酸を開発することができた。このようにして調製した各種光学分割剤を用いることにより、α-アミノ-ε-カプロラクタムなどの効率のよい光学分割方法を確立した。 アルキル鎖上のフッ素の位置が異なった種々の強誘電性液晶を合成し、フッ素の位置が回転粘性に与える影響について検討した。1,1,1-トリフルオロ-2-アルカノールをトランス-2-ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸を用いて光学分割し、これを用いて強誘電性液晶および反強誘電性液晶を合成した。また、分子末端にバ-フルオロアルキル鎖をもつ強誘電性液晶を合成し、フッ素化の程度と液晶物性との相関関係を明らかにした。一方、光学活性な4,4,4-トリフルオロ-3-(4-メトキシフェニル)ブタン酸を用いて種々の液晶化合物を合成し、カルボニル構造を持たない全く新しいタイプの反強誘電性液晶を見いだした。さらに、フッ素置換不斉構造をもつキラルネマチック材料を合成し、そのらせん誘起力について検討した。 光学活性なスピロピランを合成し、そのフォトクロミック特性をX線構造解析およびNMR測定により解析した。また、新規なスピロピラン金属錯体を合成し、その分子構造をX線構造解析により決定した。
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