配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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研究概要 |
本研究は,ビタミンD関連医薬品の開発を念頭に置いて,その構造活性相関の系統的な調査に必要な系統的誘導体の調製に要求される,変幻自在な合成法の確立を目的として行われた。研究開発の主眼は収束的合成を基本として,(1)C,D-環フラグメントの新規不斉合成法の開発,(2)A-環フラグメントの新規不斉合成法の開発,(3)C,D-環フラグメントとA-環フラグメントのカップリングに関する新手法の開発,の三つの観点から検討を行った。その結果,(1)については2-methylcycopentanc-1,3-dione を出発として,フェニルメチル基をキラル補助基とする分子内不斉Horner-Emmons 縮合によってC,D-環コア部分を98.3%deで構築することに成功した。(2)については,天然型リンゴ酸ジエステルを出発として,アリル基の導入とともに1,3-ジオールの構築,引き続く分子内ニトリルオキシド・オレフィン環化付加反応用をいる炭素6員環合成を採用して成功した。(3)については,モデル反応の段階ではあるが,α-シリルアリルアニオンとアルデヒドの縮合・ピーターソンオレフィン化反応によって,C,D-環とA-環のカップリングが可能であることを明らかにした。いずれの方法も大量合成が可能であり,様々な誘導体合成には極めて適した方法であると考えられる。しかし,C,D-環フラグメントの合成法については,合成ステップが多くその点の改善が必要である。現在,(1)に述べた方法の改良ではなくて,全く新しい,著しく短段階な合成設計を考案し実験的検討を行っている。従って,本課題に基づく研究を引き続き推進し,画期的な合成法の確立を目指す。
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