研究課題/領域番号 |
06556057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 庸厚 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40012760)
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研究分担者 |
須藤 忠四 キリンビール医薬探索研究所, 副所長
馬場 忠 筑波大学, 応用生物系, 助教授 (40165056)
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | sp38 / 精子 / 透明帯 / 避妊 / 避妊ワクチン / 精子蛋白 / Sp38 / 卵子透明帯糖鎖 / 硫酸化糖鎖 / 透明帯結合蛋白質 |
研究概要 |
哺乳類の受精の機序を解明すること、またこれにより得られた知見を生体内での受精調節に応用することを目的として以下の研究をおこなった。受精の際、精子はまず卵子外層の透明帯を認識して結合する。そこで多量に材料を得ることの可能なブタの系を用いて、透明帯糖蛋白質と結合する精子蛋白質を酵素抗体法にて検索した。精子を可溶化し数種のカラム操作をおこなった後、アスパラギン結合型糖鎖を持つ分子量38000の新規な糖蛋白質を得てsp38と命名した。この分子のアミノ酸部分配列のを基にブタ精巣cDNAライブラリーを用いてクローニングを行った結果、350アミノ酸残基に相当するsp38cDNAを得た。このsp38cDNAをプローブとしてマウス、ヒトの精巣cDNAライブラリーよりマウス型、ヒト型のsp38cDNAをクローニングした。これらは互いに70^〜80%の高いアミノ酸の保存性を示していた。ノーザンブロット解析の結果、sp38は精巣特異的に発現していることが示された。またブタsp38は3種の透明帯糖蛋白質分子、pZPA、pZPB、pZPCのうちpZPAに特異的にカルシウム存在下で結合することも明らかになった。抗体を作製して調べた結果、sp38は精子先体部に局在し、先体反応が完了した後は放出され消失することが示された。ウサギで作製したブタsp38全分子に対する抗体、およびアミノ酸部分配列に対する抗体は、in vitroの系でブタ卵子と精子の結合を阻害した。また雌マウスにマウス型sp38を免疫すると強い抗体価の上昇が認められ、この抗体はマウス卵子と精子間の結合を阻害した。これら結果は生体内で受精が成立する卵管内にIgA抗体を効率良く分泌させることによりin vivoでの受精阻害が可能であることを示唆するものである。
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