研究課題/領域番号 |
06557025
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊谷 仁 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (80161412)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1995年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 実験モデルマウス / ノックアウトマウス / 体液性免疫反応 / 細胞性免疫反応 / CD40 / CD23 / 自己免疫 / 感染 / ジーンターゲティング / 抗体産生 / モデル動物 / 遺伝子欠損マウス |
研究概要 |
CD40分子はB細胞の増殖分化に必要な副刺激シグナルを伝達すると考えられている。一方CD23はリンパ球上に発現する低親和性IgEレセプターである。これらの分子は体液性及び細胞性免疫、感染免疫、自己免疫、アレルギー反応などに深く関与している可能性がある。基礎免疫学及び免疫病研究の新たな実験モデルを開発することを目的に、ES細胞を用いた遺伝子タ-グティングでCD40やCD23を欠損した変異マウスを作成した。CD40欠損マウスは、B細胞の抗原非依存成分化は正常であったが、Ig class switchと胚中心形成という体液性免疫の成立に必要な二つの現象が共に欠失していた。また、T細胞のヘルパーT細胞への分化も阻害されていた。更に、CD40欠損マウスに於いては細胞内寄生細菌Leishmania majorに対して、Th1反応を介した感染のコントロールが認められず、このマウスを感染免疫の実験モデルマウスとして用いることが可能となった。CD40欠損マウスを、I型糖尿病モデルNODマウスに戻し交配し、CD40欠損NODマウスを作成した。このマウスに於いては、自己免疫膵島炎も糖尿病も発症せず自己反応性T細胞の出現にはCD40-CD40L相互作用が必要なことが明らかとなった。CD40の細胞内シグナル伝達を、in vivoで解析する実験システムとして細胞質内領域に欠失やアミノ酸置換を持つ変異CD40を発現するトランスジェニックスを作成した。CD23欠損マウスに於いては、IgE抗体依存性の抗原フォーカシングを介した特異抗体産生の増強が認められないことが明らかになった。また、CD23がIgE産生のnegative feedbackに関っていることも判った。さらに、CD23欠損マウスに於いては、アレルギー性の気道過敏性が著明に減弱しており、喘息のモデルマウスとして用いることも可能となった。
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