研究課題/領域番号 |
06557052
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柴田 宏 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (20235584)
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研究分担者 |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | インスリン / グリコーストランスポーター / GTP結合蛋白 / マストパラン / グルコーストランスポーター / グルコーストランスポート / G蛋白 |
研究概要 |
本研究により、まず(1)マストパランの様々なアナログを用いた検討により、グルコース取り込み促進作用とG蛋白活性化作用が相関すること、(2)マストパランがラット脂肪細胞において実際にGLUT4の細胞膜上への転位を促進すること、(3)マストパランはGLUT4のエキソサイトーシスを促進することによりGLUT4の転位を促進することが明らかとなった。したがってマストパランのグルコース取り込み促進作用は、マストパランが何らかの三量体型G蛋白に作用してGLUT4小胞のエキソサイトーシスを促進することが考えられた。そこで、マストパランの作用点に関してさらに検討を行った。(1)百日咳毒素で処理した脂肪細胞においてもマストパランのグルコース取り込み促進作用は認められたことから、マストパランの標的はGi/Goではないことが確認された。(2)さらにインスリンのグルコース取り込み促進作用に重要な役割を果たしているホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)の阻害剤であるワ-トマニンによりマストパランの作用は影響を受けなかったことから、マストパランはPI3Kに依存しない機構を活性化することによりGLUT4の転位を促進することが明らかになった。(3)一方、マストパランの作用はホスホリパーゼA_2阻害剤であるキナクリンにより消失したことから、マストパランの作用にホスホリパーゼA_2が関与している可能性が考えられる。(4)しかしながら、KCN処理により細胞内ATPを枯渇された条件下では、インスリン及びGTPγSの作用は消失したのに対し、マストパランの作用は全く影響を受けなかった。このことはマストパランのグルコース取り込み促進作用はG蛋白活性化を介するものではないことを示唆する。マストパランのグルコース取り込み促進作用に関しては今後更に検討が必要と思われる。
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