研究課題/領域番号 |
06557054
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (90170266)
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研究分担者 |
北 徹 京都大学, 医学部, 教授 (60161460)
土井 健史 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00211409)
和田 洋一郎 東京大学, 医学部(病), 医員
中島 淳 東京大学, 医学部(病), 医員
松橋 信行 東京大学, 医学部(病), 助手 (10221590)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1995年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1994年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | マクロファージ / スカベンジャー受容体 / アテローム性動脈硬化 / LDL / 抗酸化剤 / コラーゲン / 泡沫細胞 / 酸素ラジカル / 酵素ラジカル / コレステロール / 動脈硬化 / 発生工学 / ジーンターゲッティング / リポ蛋白 |
研究概要 |
LDL変性とスカベンジャー受容体経路の抑制による新規動脈硬化治療法の開発を進めた.600種のLDL抗酸化剤のなかから毒性がなく血管壁移行がよく、生体内でのLDL酸化抑制効果の強いALO-1をスクリーニングした.ALO-1はWHHLウサギでアテローム予防効果を示し、マウス実験系でもLDL受容体欠損マウスで黄色腫の形成抑制を認めた.一方従から知られる抗酸化剤プロブコールはLDL受容体欠損マウスおよびアポE欠損マウスでは、黄色腫ならびにアテロームの悪化を認め、実験動物種によって抗酸化剤の作用機構に差異が認められた.PTCA後の再狭窄予防作用はALO-1が最も強い効果を示した.ALO-1は平滑筋細胞の増殖因子や血清刺激による増殖を抑制する強い作用をもち、内膜傷害後の内膜肥厚を抑制する. スカベンジャー受容体経路の抑制の効果はスカベンジャー受容体欠損マウスを作成し、これをLDL受容体欠損マウスまたはアポE欠損マウスと交配して進めた.その結果I型、II型のスカベンジャー受容体が欠損してもマクロファージは泡沫細胞化し、アテロームは形成されることがわかった.スカベンジャー受容体関連遺伝子群には、I、II型とよく類似したMARCO、CD36、SR-B1、CD68などの存在が報告されており、I型II型だけを抑制しても動脈硬化抑制には困難であると考えられ、LDLの変性自体を抑制する方向が有力と思われた.この点からもALO-1などのLDL変性抑制剤は有望であり、その臨床応用がいよいよ可能となってきたことは重要な成果と思われる.
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