研究課題/領域番号 |
06557057
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究分担者 |
掘越 大能 三共株式会社, 第一生物研究所, 主任研究員
石田 均 京都大学, 医学研究科, 助手 (80212893)
堀越 大能 三共株式会社, 第一生物学研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
1995年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1994年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 糖尿病 / 経口血糖降下剤 / インスリン分泌 / 細胞内カルシウム濃度 / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / 膵β細胞 / パッチクランプ法 / バッチクランプ法 |
研究概要 |
従来からの経口血糖降下剤とは異なる作用機序を有する薬剤として、電位依存性Ca^<2+>チャネル(VDCC)に直接作動する薬剤を開発する目的で、糖尿病状態下の膵β細胞におけるVDCC活性を、電気生理学的手法のpatch-clamp法により直接的に検討した。新生児期にストレプトゾトシンを投与して作製した実験的インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)モデルのNSZラットあるいは遺伝性NIDDMモデルのGKラットより得た単一膵β細胞を用いて、patch-clamp法のwhole-cell recordingにより脱分極刺激に対するL型ならびにT型VDCC活性を測定した。ブドウ糖刺激に対する膵ラ氏島からのインスリン分泌は、NIDDM群で対照に比し明らかな低下を示したが、ブドウ糖以外の脱分極刺激ではむしろ亢進を認めた。-45mVのholding potentialよりの脱分極刺激に対して、NIDDM群では対照に比して明らかに増大した内向き電流の存在を認めた。各々の細胞での電流量をmembrane capacitanceで徐して細胞表面積あたりの電流密度を算出し、-20から+30mVまでの種々の脱分極刺激について両群間で比較したところ、NIDDM群で明らかに増大しており、L型VDCC活性の亢進が認められた。同様にT型 VDCC活性もNIDDM群で明らかな増大を認めた。ラット膵β細胞VDCCα1 subunit cDNAを単離し、膵ラ氏島での遺伝子発現をGKラットと対照で比較検討したところ、GK群で増加が認められた。以上の結果より、NIDDM状態下での膵β細胞では、VDCC活性は対照に比して亢進を認めたことから、このチャネルに特異的に直接作動する薬剤を開発することにより、NIDDMの経口血糖降下剤として現在広く臨床的に用いられているsulfonylurea剤に対してすでに無効となった症例においても、その治療が可能となり得ることが十分に考えられた。
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