研究課題/領域番号 |
06557063
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
宮田 敏行 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室長 (90183970)
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研究分担者 |
牛澤 幸司 第1化学薬品株式会社, 東京研究所, グループ長
山口 武典 国立循環器病センター病院, 副病院長
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 凝固第VII因子 / 心血管系疾患 / 脳卒中 / 心筋梗塞 / 糖尿病 / 血栓 / リスクファクター / 凝固因子 / 臨床検査法 / 凝固亢進状態 / 第VII因子 |
研究概要 |
高脂血症を基盤とせずに発症する虚血性心疾患や脳卒中を予防・治療する際に、これに関与する因子の解明は重要である。我々は血液凝固開始反応の基礎研究から、活性型凝固第VII因子(FVIIaと略)の測定法を確立した。これまで、第VII因子凝固活性(VIIcと略)は虚血性心疾患の危険因子といわれていたが、FVIIaが危険因子そのものではないかと考え、検討を加えた。 FVIIaは、検体血漿を酵母で発現させた可溶性組織因子(残基番号1-218)、第VII因子欠乏血漿、ウサギ脳セファリン(リン脂質として使用)、トロンビンの蛍光基質、カルシウムと混合し、トロンビンの生成量を蛍光強度で表した。本法により、0.2から1000ng FVIIa/mlで定量性がみられた。自動測定装置、Covas Fara II、を用いたため、再現性は同時および日差ともにCVは5%以下と良好であった。日本人の血中FVIIa量は平均2.6-2.7ng/mlであった。これは血中総FVII量の約0.5%に相当する。この微量のFVIIaが組織因子と複合体をつくると凝固反応が開始する。したがってFVIIa量が高いと血栓傾向になると考えられる。事実、健常者の男女平均2.7ng/mlに比べ、冠動脈疾患3.2ng/ml、慢性脳梗塞患者3.4ng/ml、両者合併例では3.9ng/mlと有意に増加していた。FVIIcもこれらの動脈硬化性疾患で増加傾向を認めたが、有意ではなかった。糖尿病患者ではFVIIaの増加が認められた。高血圧患者では、微量アルブミン尿を伴う場合はFVIIaの増加が認められたが、伴ない場合はFVIIaは増加していなかった。また、人工透析患者でもFVIIaが著増していた。尿中アルブミン排泄量の増加とともにFVIIa量が増加することも考えると、腎障害とFVIIaの生成は極めて密接な関連があると推測された。
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