研究課題/領域番号 |
06557078
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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研究分担者 |
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
17,700千円 (直接経費: 17,700千円)
1996年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1994年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | brain tumor / tumor marker / gene expression / cDNA cloning / brain development / onco-fetal antigen / glioma / gene mutation / onco‐fetal antigen / differential screening |
研究概要 |
我々は、遺伝子工学的な手法を用いて新しいヒト脳腫瘍マーカーを単離するために、まず方法の改善を行った。そして、modified differential screening法、改良型cDNAサブトラクション法、cDNA library DNA-Southern blot解析法を用いて、量的に限られた組織からmRNA発現量の異なるcDNAクローンを効率良く単離できることを示した。 次に我々は、胎生期の脳に選択的に発現される遺伝子群の中から成人の脳腫瘍細胞で異所性に発現されるがん胎児性抗原を同定することを試みた。その結果、ラット脳の発生過程で胎生期に選択的に発現されるmRNAのcDNAクローンを22種類単離することに成功した。これらのクローンのヒトホモログを単離して、ヒトでの発現を解析した結果の中では、Neuronatinの発現パターンが特に注目された。即ち、ヒトNeuronatin mRNAは胎児の脳で選択的に発現されており、各種のヒト脳腫瘍の中では下垂体腺腫に選択的な発現を示した。この結果は、Neuronatinがヒト下垂体腺腫の新しい分子マーカーとして利用できる可能性を示唆している。 また我々は、ヒトグリオーマ細胞の生物学的性質を規定する遺伝子群の同定を試み、増殖速度が早くヌードマウスへの異種移植能を持つグリオーマ細胞株では、蛋白合成、細胞内シグナル伝達、核酸代謝等に関わる遺伝子の発現量が、対照株に比べて増加していることを明らかにした。これらの結果は、改善された遺伝子工学的手法を用いることで、これまでの手法では解析できなかった脳腫瘍細胞の分子マーカーが同定可能であることを示している。 加えて我々は、ヒト脳腫瘍細胞におけるmRNA発現の変化の原因となる遺伝子の変異についても解析を行い、p53等のがん抑制遺伝子の変異が各種の脳腫瘍細胞で高頻度に認められることを明らかにした。
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