研究課題/領域番号 |
06557086
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
折笠 精一 東北大学, 医学部, 教授 (60001004)
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研究分担者 |
松本 実 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
古屋 泰文 東北大学, 工学部, 助手 (20133051)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
19,300千円 (直接経費: 19,300千円)
1995年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1994年度: 13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
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キーワード | 尿失禁 / 形状記憶合金(ニチノール) / 人工尿道括約筋 / 形状記憶合金 |
研究概要 |
形状記憶合金(SMA)を尿道括約筋として用いる場合、SMAの特性、括約筋装置としての形状、さらに用いるバイアススプリングにより全体として得られる力が異なる。そのため色々な組み合わせのものを作製し、それぞれの平熱時と加熱時の流量を測定した。その中で、臨床応用を考えた場合に基本的形状と考えられる装置を用いて実験を行なった。 本括約筋装置は、二方向形状記憶効果を持つ4枚の形状記憶合金薄板(Ni-Ti合金、厚さ0.2mm)よりなり、各板は常温(室温)時に円弧形状、加熱すると平になるように記憶されている。バイアススプリングとしてゴム輪を用い、装置は最大の状態で15mmX25mmX18mmである。実験1では尿道モデルとして内径6mm、外径8mmのシリコンチューブを使用した。実験2では10kg前後の雑犬の尿道に装着して行った。各尿道には70-100cmH_2Oの一定圧を付加して流量を測定した。加熱方法は温水(実験1)および電熱線(実験2)を利用した。 結果 実験1:常温時には流れを完全に閉鎖できた。加熱時は46℃で弁が開き始め、65℃で完全に解放され最大流量24ml/secが得られた。加熱を中止した場合は自然放熱としたが、60℃で閉鎖が始まり46℃で完全に閉鎖した。 実験2:常温時に犬尿道の流れを完全に閉鎖できた。加温はDC4.5Vの電圧を印加して行った。印加後100secで最大45℃に達し、印加停止30sec後に35℃になった(時間一温度特性)。30℃で流れが急速に始まり最大1.8ml/secを維持した後、冷却後35-30℃で流れが停止した(温度一流量特性)。印加30sec後に急速に最大流量1.8ml/secに達し、印加停止後30secで流量0となった(時間一流量特性)。印加後30secでは尿道負荷圧が100cmH_2Oから86まで低下し、印加停止後30secで100cmに回復した(時間一圧力特性)。今後さらに人体埋め込みを目的に、形状記憶合金の変態温度特性と装置の改良を検討したい。
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