研究課題/領域番号 |
06557091
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 淳 大阪大学, 医学部, 教授 (90028598)
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研究分担者 |
澤井 元 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (20202103)
小阪 淳 (小坂 淳) 大阪大学, 医学部, 助手 (40243216)
野村 慎太郎 大阪大学, 医学部, 助教授 (80159087)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 末梢神経移植 / 視神経 / 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / 神経栄養因子 / in situ hybridization / モノクローン抗体 / 神経栄養因子受容体 / retinal ganglion / Y79 / BDNF(brain derived neurtrophic factor) / PCR(polymerase chain reaction) / transfection |
研究概要 |
末梢神経移植による網膜神経節細胞の軸索再生の促進効果を、臨床応用に結びつけていくための技術開発を目指して、以下にあげるような研究成果をあげた。 (1)網膜神経節細胞は軸索切断されても網膜内で自発的に軸索再生していることを見いだし、軸索発芽の頻度や軸索伸長の距離がBDNF(brain derived neurotrophic factor)やNT-4(neurotrophin-4)の眼球内注入によって、大幅に増加させうることを見いだした。この成果は、神経栄養因子の眼球内注入が視神経再生を促進させることを示したもので、将来の治療法の開発に明るい見通しを提供する。また、ラット等の小動物の眼球内注入に用いる注入器の改良を行い、正確かつ感染を起こすことのない注入法の確立に成功した。 (2)神経栄養因子投与と末梢神経移植の併用法によって再生する視神経軸索数を増加させることを期待したが、定量的にはあまり有効でないことが判明した。神経栄養因子が網膜内軸索再生を促進させても、その再生軸索が視神経乳頭部のバリアーを通過できないためと解釈された。 (3)ラット網膜切片に対するin situ hybidizationにより、神経栄養因子受容体であるLNGFR(low affinity NGF receptor)、trk B等の分子が神経節細胞の一部にしか発現しないことを見いだした。この結果は、軸索切断後にBDNFを眼球内注入しても、全ての神経節細胞を逆行性変性から救えない事実に根拠を与えるものである。 (4)網膜神経節細胞の特異的分子を認識するC38抗体による染色と逆行性標識法を併用することにより、軸索再生している細胞と軸索再生しないが生存している細胞を識別することができた。これにより、神経栄養因子の効果をより正確に評価できることになった。
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