研究分担者 |
田中 隆治 サントリー株式会社, 第一創薬研究所, 所長
大嶋 隆 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80116003)
藤原 卓 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00228975)
高橋 一郎 大阪大学, 歯学部, 助手 (20206791)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
1.(1)Streptococcus sobrinus MT6223株の培養条件の検討により,dTTY, BHI, Eagle培地でのミュータシンの産生が確認され,その産生性はdTTY=BHI>>Eagleであった.(2)dTTY培地での培養上清を硫安塩析後,その透析物を用いてミュータシンのゲルろ過担体に対する吸着性を検討した.その結果,Sepharose>Bio-Gel>>Sephadexの順に活性回収率がよく,Sepharose CL-6Bクロマトグラフィーではは分子量1000kDa以上の位置に回収率100%で溶出されることが明らかとなった.また,SDS-PAGEの結果と比較することによりミュータシンの会合性が示唆された. 2.(1)dTTY培地を用いたStreptococcus sobrinus MT6223株の培養上清から,硫安分画,Sepharose CL-6Bクロマトグラフィー,Develosil ODS-HG-5カラムとResource RPCカラムを用いた逆相HPLCにより純粋なミュータシンMT6223を単離した.本精製法における活性回収率は硫安分画から起算して6.3%であった.(2)ミュータシンは熱および酸に対して安定であることが明らかとなった.また,ミュータシンはパパインによって失活することよりペプチド性抗生物質であることが確かめられた.(3)FAB/MS分析によりミュータシンの分子量は2716と決定した.この結果とSepharose CL-6Bクロマトグラフィーでvoid volume (>2000kDa)に溶出されてくることより,ミュータシンは溶液中で高度に会合していることが確認された.(4)アミノ酸配列分析により,ミュータシンのN末端アミノ酸配列はAla-Val-と決定されたが,3ステップ以降のPTH-アミノ酸は全く検出することができなかった.アミノ酸組成分析の結果,ミュータシンにはGlyとAlaが多く,酸性アミノ酸を全く含んでいないことが明らかとなり,アミノ酸組成比と分子量の比較から異常アミノ酸を含んでいることが示唆された. 3.(1)FAB MS分析同様,MALDI-TOF MS法においても,ミュータシンMT6223は分子量2700付近にイオンピークを示し,それ以上の高分子量イオンピークは検出されなかった.(2)50%酢酸を溶出液とするSepharose CL-6B Chromatographyを用いたとき,ミュータシンがナイシン(3.4kDa)とトリプトファン(0.2kDa)の間に溶出されることから,MS分析におけるミュータシンの分子量の結果が支持された.
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