研究課題/領域番号 |
06557132
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
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研究分担者 |
並木 充夫 住友製薬株式会社, 総合研究所, 副主任研究員
山中 正己 帝京大学, 医学部, 教授 (20082109)
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
加藤 将夫 東京大学, 薬学部, 助手 (30251440)
寺崎 哲也 東京大学, 薬学部, 助教授 (60155463)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1995年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | サイトカイン / ポリペプチド / 増殖因子 / 体内動態 / ドラッグデリバリーシステム / クリアランス / 肝細胞増殖因子 / 上皮成長因子 |
研究概要 |
本年度は前年度に引き続き、強力な肝増殖活性を有し肝疾患治療薬としてその開発が期待されている肝細胞増殖因子(以下HGFと略)のクリアランス機構の解明とそのドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発を試みた。さらに、抗癌剤治療における主要な副作用の一つである骨髄抑制の治療薬として開発が進められている顆粒球コロニー刺激因子(以下G-CSFと略)誘導体についても同様の検討を行った。HGFのクリアランス機構の性質を明らかにする目的で肝部分切除ラットにおける体内動態を検討したところ、HGFのクリアランス機構として肝臓における受容体介在性の取り込み機構および非特異的取り込み機構の存在が明かになり、さらに部分肝切除という肝病態に対して前者のメカニズムは大きく阻害される一方で後者のメカニズムは病態時においても正常時と同等なレベルであることが示された(Am. J. Physiol.に報告)。さらに後者のメカニズムは肝臓の実質細胞ばかりでなく、非実質細胞にも存在し、特に治療を目的とした比較的高投与量の条件下において、実質細胞によるクリアランスと同程度の寄与を示すことが明かとなった(Pharm. Res. に報告)。後者の取り込み機構を阻害する目的でHGFとヘパリンとの複合体を調製し、ANIT処理肝障害モデルラットに投与してその効果を検討したところ、複合体はHGF単独よりも肝逸脱酵素(GOT,GPT,ALP,LAP)レベルを大きく低下させることが明かとなった(投稿準備中)。このことはこの複合体がHGFよりも低投与量でHGFと同等ないしはそれ以上の効果を示す有効なDDSとなることを示唆した。しかしながら、肝増殖促進活性をin vivoでLabeling index法により検討したところ、HGFと大きな差は観察されず、増殖作用を目的とする治療においてはさらなるDDSの改良が必要であることが明かとなった。G-CSF誘導体のクリアランス機構の解明を目的として体内動態解析を行ったところ、肝臓や腎臓ではなく骨髄における受容体介在性取り込み機構が主要なクリアランス機構であることが明かとなった(Am. J. PhysiolおよびJ. Pharmacol. Exp. Ther. に投稿)。
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