研究課題/領域番号 |
06557140
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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研究分担者 |
平川 忠 味の素株式会社, 中央研究所, 主任研究員
稲本 俊 医療技術短期大学部, 教授 (10135577)
滝川 雅浩 浜松医科大学, 皮膚科, 教授 (80115873)
和田 洋巳 胸部疾患研究所, 京都大学, 助教授 (90167205)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1994年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | ADF臨床応用 / 移植 / ストレス応答 / アポトーシス / 抗アポトーシス因子 |
研究概要 |
(1)ADF/TRXの臨床応用に関する基礎的検討 臨床での肝切除および肝移植における血中のADFをELISA法にて測定し、そのストレス応答に対応する変化を解析した。その結果、血中ADFが肝切除というストレスにともなって上昇することが示唆された。 また、培養正常ヒト表皮細胞および皮膚癌由来の表皮細胞株(HSC-1細胞)における共焦点レーザー顕微鏡および細胞抽出蛋白を用いたwestern blotting法によるADFの発現の検討から、中波長紫外線照射(20mJ/cm^2)照射後約1時間でのADFの核内移行と照射後8時間でのADFの細胞質内発現増強が認められた。 以上の結果から、紫外線照射による表皮細胞の障害に対する防御機構へのADFの関与が示唆された。 ADFは、ラットの再潅流モデル、及び犬の同種肺移植における肺障害モデルで酸素化能を改善し、再潅流障害を抑制することが示された。さらに、この効果はN-アセチルシステインに比較しても有効であった。このように、ADFが酸化ストレスに対して有効な生体防御物質になりうることが証明されたことは、臨床肺移植を安全に行うためにも有意義であると考えられた。 (2)未知の細胞死抑制因子の探索、同定 EBV transformed cellおよびHTLV-1感染細胞株の培養上清中に、2ME除去によるB104のアポトーシスを抑制する活性(anti-apoptotic activity)の存在を認めた。 RPMI8866の培養上清についての検討では、濃度依存的、細胞数依存的な活性の上昇を示した。以前からEBVあるいはHTLV-1感染細胞株では還元活性を有するADFがhigh produceされていることが知られていることから、rADFを用いてADFによるanti-apoptotic activityの検討を行った。その結果、このanti-apoptotic activityはADF単独による作用ではなく、他の分子の関与も強く示唆された。従って、ADFとは異なる、anti-apoptotic activityの主たる活性の同定を、1)限外ろ過、2)熱安定性、3)各種のカラムを用いて検討した。その結果、主たるanti-apoptotic activityは、非常に小さな熱安定性の分子であることが強く示唆された。一方、作用機序の面からの解析では、2MEとは異なる機序により機能している可能性が示唆された。
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