研究概要 |
本研究では,VLSIチップのフロアプラン設計に注目し,分散遺伝的アルゴリズムに基づくVLSIフロアプラン設計手法を開発することを目的として,研究を行った。本年度に得られた主な成果を以下にまとめる。 1.生態ピラミッドの概念を取り入れた分散遺伝的アルゴリズムの提案:最適解を求めることが困難な組合せ最適化問題に対し,遺伝的アルゴリズムに生物界における生態ピラミッドの概念を取り入れた分散遺伝的アルゴリズムを提案し,ハイパーグラフ分割問題に適用して,提案アルゴリズムの有効性を実験的に検証した。 2.遺伝的アルゴリズムによるスタンダードセル配置手法の開発:スタンダードセル方式VLSIチップのセル配置設計に対し,遺伝的アルゴリズムに基づく論理回路分割手法と線形計画法を組み合わせたスタンダードセル配置手法を提案し,計算機実験により提案手法の有効性を確認した。 3.トボロジ制約に基づくフロアプランニング手法の開発:VLSIチップのフロアプラン設計に対し,ブロック配置におけるトポロジ制約を動的に変更しながらフロアプラン設計を行うヒューリスティックアルゴリズムを開発し,計算機実験により提案手法の有効性を確認した。 4.タイミング制約を考慮したパフォーマンスドタブンスタンダードセル配置手法の開発:VLSIチップのレイアウト設計手法において,与えられたタイミング制約を満たすセルの配置を求めるセル配置手法を提案した。提案配置手法では,まずタイミング制約を考慮した最小カット配置手法により高速に初期配置を求める。次に、非線形計画法に基づく配置改良手法により配置改良を行う。最後にタイミング制約を考慮した列割り当て手法でセルを列状に配置する。提案手法を計算機上に実現し,ベンチマークデータを用いて実験を行った結果,提案手法の有効性を確認した。
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