研究概要 |
国土数値情報から得られる土地利用データとハザードマップを組み合わせ,火山噴火に伴う被害の事前評価の手法を研究することを目的とし,主として降下火砕物と火砕流の影響予測の数値シミュレーション手法を研究開発し,動的な火山のハザードマップとでも言えるような,災害予測システムの開発・試作を行なった. 1.降下火砕物および火砕流の数値シミュレーションを続行し,到達時間のマップ(火砕物の降り始めのマップ),層厚分布のマップ,粒度分布のマップ,噴出物の空間的な拡がりを断面で示したマップ,火砕流の流速マップ,推積物の厚さの分布マップなどを作成した. 2.被害の事前評価を行なった.国土数値情報,土地利用データなど民生資料の整理を行ない,自然ハザードの諸量と併せて総合的なリスクマップを多数試作した. 3.GISなどによるプレゼンテーション様式の検討,改良を行なった.カラーグラフィックの表現を試行し,防災対策上の効果を上げるようなシステムの設計を行なった. 4.浅間火山について,適当な特定の噴火条件を想定してシミュレーションを行なった.1783年鬼押出し溶岩流と吾妻火砕流程度の規模を想定し,北及び南側山腹斜面への推積物の展開について,到達距離,時間,推積物の厚さなどについて計算した.システムの総合的能力の検定を行ない,必要な改良についての検討を行った. 5.報告書の作成・印刷を行った.また実用化へ向けての製作者向け,ユーザー(防災担当者や住民)向けのマニュアルの試作を行なった.
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