研究課題/領域番号 |
06558072
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
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研究分担者 |
成瀬 幹夫 日本電子(株)設計技術本部, 研究員
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
1995年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1994年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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キーワード | 格子欠陥 / 点欠陥 / 統計的揺らぎ現象 / 照射損傷 / 超高圧電子顕微鏡 / 電子照射損傷 / 中性子照射 / イオン照射 |
研究概要 |
中性子照射実験そのものに関しては、RTNS-II核融合中性子の照射後試験を出発点とし、材料試験炉JMTRを用いた各種の制御照射が実行されてきたことを記載するに止め、本研究の主課題である微視的構造変化の動的直視手法に立脚した研究成果を中心に記載する。 中性子照射によって導入された欠陥構造に関して、特記すべきものとして超高圧電子顕微鏡による電子照射の重畳が行われたことが挙げられる。名古屋大学超高圧電子顕微鏡室に放射線管理区域を設定することで、国際的にもはじめて実行されたものである。それ以前は極めて困難であったカスケード衝突から直接発生または成長した極微小な点欠陥集合体のタイプの判定が、電子照射下での個々の欠陥の挙動から信頼性をもって行えるようになった。 種々の材料に中性子照射により導入された構造欠陥の等時焼鈍・等温焼鈍中の変化の追跡は、カスケード衝突からの欠陥発生の温度依存の機構、および照射温度変動の効果の機構を理解する目的をもって実行された。 超高圧電子顕微鏡による高エネルギー電子照射下の欠陥構造変化を動的に追跡する手法で多くの研究を行い、中性子照射による欠陥構造発達の要素過程を理解するのに有益な知見を獲得した。格子間原子集合体の一次元容易運動に関する知見は、カスケード衝突から発生した極微小格子間原子集合体の反応に適用することにより、転位構造の結晶方位依存性や特徴ある配列を理解する基となった。また、電子照射下の点欠陥集合体の消長の観察・解析から抽出された点欠陥反応の無秩序性に関する知見により、中性子照射による極めて低密度の転位構造の原因が理解できるようになった。この他局所電子照射の開発による格子間原子の一次元運動の抽出、間歇電子照射法による点欠陥の基本パラメーターの測定、などが実行された研究に含まれる。
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