研究課題/領域番号 |
06558096
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳田 元 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
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研究分担者 |
松山 伸一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (50183108)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
18,700千円 (直接経費: 18,700千円)
1995年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1994年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | Sec因子の大量発現 / 蛋白質分泌 / 大腸菌 / シャペロン / 前駆体蛋白質 / SecG / 反転膜小胞 / 酸性リン脂質 / SecA / SecB / 分泌型蛋白質 / 蛋白質分泌装置 / Sec因子大量発現 |
研究概要 |
本研究は大腸菌に有用蛋白質を効率よく分泌生産させることを究極の目的として行ったものである。この目的のために、蛋白質分泌の効率に影響を与える様々の要因を、素反応について解析し、総合的に最良の戦略を探求した。 1.分泌装置を構成する因子の数 分泌蛋白質が細胞質膜を透過する段階には、主として4種類の因子(A,E,Y,G)が重要である。これら因子を大量発現させ、因子のレベルの増加が膜透過反応にどう影響するかを反転膜小胞を用いたin vitro実験系で解析した。予想通り、膜透過活性の格段に上昇した反転膜小胞が得られた。一方、成熟体への変換を伴わないで前駆体として膜透過した量も著しく上昇していた。この結果は、シグナルペプチダーゼのレベルの上昇も必要であることを示している。 2.膜透過効率を上昇させる要因 最近の研究によって、SecAの膜内への挿入と脱離が蛋白質膜透過の原動力であることが示されている。SecGは膜透過を促進する役割を果たしているが、これはSecAの挿入脱離の促進によるものであることを明らかにした。また酸性リン脂質レベルを上昇させた大腸菌でも、SecAの挿入・脱離が促進されることを示唆する結果が得られた。 3.シャペロン蛋白質 SecG遺伝子破壊株では、低温での蛋白質膜透過に欠陥が生じ、前駆体が細胞内に蓄積する。SecBの大量発現により、前駆体の発現はむしろ上昇するが、低温感受性の生育を回復させることが考えられる。この結果は、蛋白質分泌生産性の向上にSecBの大量発現が有効であることを示すものである。
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