研究課題/領域番号 |
06558121
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
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研究分担者 |
阿部 裕輔 (阿部 祐輔) 東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
鎮西 恒雄 東京大学, 医学部, 助手 (20197643)
馬場 一憲 東京大学, 医学部, 助教授 (30181035)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 微小循環 / 固体撮像素子(CCD) / 画素数 / 細静脈 / 細動脈 / ファイバーオプティックプレート(FOP) / 固体撮象素子(CCD) |
研究概要 |
本研究は、固体撮像素子(CCD)と光源(LED)を体内に埋め込み、絶縁したCCD表面に薄い生体組織を密着させ、LEDで照射して透過的に微小循環を観察する新しい原理の装置の開発を目的としており、これにより従来不可能であった無拘束で長期間生体の微小循環を連続的に観察することが可能となる。2年間で以下の研究成果が得られた。 1.新しい原理の確認 上記の新しい原理の下で生体の微小循環が観れるか否かについてin vitroおよび急性のin vivoの実験を行ない、その可能性を確認した。 2.電気的絶縁方法と組織の密着性を良くする方法の検討 CCD表面とケース面との段差をなくし、組織との密着性を良くするために、ファイバーオプティックプレート(FOP)をCCD表面に載せシリコーン樹脂を充填してCCDの電極部分を絶縁した。 3.解像度の検討 25万画素のCCDでは50μm程度の解像度があることが判った。 4.急性動物実験 ウサギやヤギを用いて、組織の解像度を調べた結果、皮下の組織が最も鮮明で、数十μm径の細動・静脈を観察できることが判った。 5.長期埋込実験 ウサギの腹部皮下に装置を長時間埋め込み、皮下組織の微小循環像を観察した。ウサギは麻酔から覚醒し、微小循環像も観察できたが、18時間後にFOPの周辺から体液が浸入し絶縁破壊を起こしたため実験を中止した。しかし、これは微小循環を無拘束で連続的観察し得た世界最初の実験である。 6.絶縁性の改良 FOPやセラミックケースとの接着性を向上さすためにエポキシ樹脂による包埋を行ない、絶縁破壊の問題を解決した。 7.解像度の向上 3倍まで拡大可能なテ-パ-付きFOPを用いることにより解像度は3倍に向上し、in vitroの実験では血球の流れを認識できた。さらに、1/3インチ40万画素のCCDの使用を検討中であり、解像度のさらなる向上が期待できる。 以上、2年間の研究により新しい体内埋込型微小循環観察プローブの基礎は完成し、今後動物への長期埋め込み実験を繰り返して改良を進めて行く予定である。
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