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生物学的倫理学の方法論に関する予備的考察

研究課題

研究課題/領域番号 06610039
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 倫理学
研究機関広島大学

研究代表者

畠中 和生  広島大学, 文学部, 助手 (60243523)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード進化論的倫理 / 社会生物学 / 利他行動 / 利己的遺伝子 / 社会ダ-ウィニズム
研究概要

生物学と倫理学との関係を摸索するこの研究は、(1)生物学研究の成果の社会的影響力という視点と、(2)方法論的視点から行われた。(1)に関しては主題として社会生物学(行動生態学)における「利己的遺伝子」論を取り上げた。ある特定の生物学的言説がその文脈を離れ一人歩きすることによって、特定の人間観や社会観の形成に影響を及ぼすことを明確にするためには、R・ド-キンスの「利己的遺伝子」論は、研究のための好材料であった。利己的遺伝子概念の安値な適用を排し、まずはそれをきちんと生物学の文脈に位置付け、その上で生物学的言説の社会的影響力を問う方向で研究を進め、その成果の一部を論文にまとめることができた。(2)に関しては、倫理学の自然主義的アプローチとしての「進化論的倫理学」を吟味検討した。まず、生物学と倫理学とを結び付ける試みについて、社会ダ-ウィニズムに代表される旧来の進化論的倫理学と、現代的な進化論的倫理学を区別し、その枠組みを整理した。後者は、「闘争」ではなく、人間の道徳感情や協調行動・利他行動が進化の産物であるとする記述的理論をその特徴としてもつが、それが道徳規範の導出や正当化を可能にするかどうかは疑問である。さらに、現代の進化論的倫理学の主唱者のひとりM・ル-スの主要見解を明らかにできたが、詳細な批判的吟味をするまでには至っていない。最近進化論的倫理学に関する研究書の出版も増加しており、ル-スの見解も含めて、倫理学の自然主義的アプローチについて包括的に研究する必要性を感じる。
この研究の大きな目的の一つは、専門の生物学者との研究交流行うことにあったが、社会生物学を専門とする岸由二氏(慶応義塾大学)と佐倉統氏(横浜国立大学)、倫理学・社会哲学の立場から社会生物学を積極的に批判検討している川本隆史氏(跡見学園女子大学)とらの研究交流をもてたことは、大きな成果の一つである。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 畠中 和生: "利己的遺伝子の意味するもの-生物学の誘惑に抗して-" 倫理学研究. 7. 19-38 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 畠中 和生: "倫理と進化-進化論的倫理の研究(1)-" 広島大学文学部紀要. 54. 98-116 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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