研究課題/領域番号 |
06610071
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南 徹弘 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40030043)
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研究分担者 |
待田 昌二 大阪大学, 人間科学部, 教務職員 (00222290)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 歩行・走行 / 成長・発達 / 身体接触 / 性差 / 性差発達 / 乳首くわえ行動 / しがみつき行動 / 母子関係 |
研究概要 |
出生直後の子ザルは、せいぜい薄目を明けて外を見るほどしか出来ない。出生後2、3日で、子ザルは手を用いた這う行動が生起し、前肢だけで後肢を用いないで木の枝などへのしがみつきもできるようになる。3週齢の頃には、4肢による歩行が出来るようになり、4週齢を越えると走行などかなりの運動も可能となる。オスの子ザルは1-2週齢の頃に早くも活動を開始し、いまだに母ザルにしがみつき自力ではほとんど活動をしないメスの子ザルとは顕著な違いを示す。また、オスの子ザルはメスの子ザルよりも活発に動き回る。出生直後の子ザルはほとんどの時間を母ザルにしがみついて過ごし、母ザルも子ザルをしっかりと抱き、他のサルや人のいない離れたところに移動するなど、生まれたばかりの子ザルをもつ母ザルは周囲を警戒する。この緊密な母子のかかわりのなかにも、やがて子ザルの成長・発達にともなって母子の身体接触と接触をともなう相互のかかわりが次第に減少してくる。接触は、子ザルの7-8週齢の頃まで母子のかかわりに関してオスとメスの子ザルの間に目だった差異はない。しかし、それ以後オスの子ザルとその母の身体接触は急速に減少し、性差が顕著となる。したがって、母ザルとの身体接触にみられる子ザルの性の違いによる差異は最初の数週間は僅かな差を保っているが、時間の経過にともない次第に大きくなっていく。乳首くわえ行動としがみつき行動という母ザルに向けられる子ザルの行動は、いずれもメスの子ザルに多く、身体接触とそれを支えるさまざまの行動にも子ザルの性の違いによる差異のあることがわかる。以上述べたように、本研究においては、母子の身体接触期において子ザルの性の違いが、子ザルの母ザルへの、あるいは母ザルの子ザルへの基本的なかかわりに反映することが明らかとなった。
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