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見えない部分の知覚の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610076
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 実験系心理学
研究機関高知大学

研究代表者

藤田 尚文  高知大学, 教育学部, 助教授 (10165384)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード非感性的輪郭 / 見えない部分 / 3次元的重なり / 両眼視差
研究概要

L字形の図形を正方形が部分的に覆っているような図形において、L字形の可視部分が手前に来るように両眼視差をつけ、またL字形の輝度が背景と正方形の中間の輝度のとき、(半)透明なL字形の全体が見えることがある(図1)。昨年の藤田の報告によると、この主観的な角が50%の比率で見えるときの主観的なアーム(内側のアーム)の長さは約0.6度である。この主観的な角の形成にはどのような要因が影響を与えているのかをさまざまな点から調べた。
実験1。[目的]L字形の正方形に覆われていないアーム(外側のアーム)の長さが、主観的な角の形成に影響を与えているかを調べる。[方法]外側のアームの長さを3段階、内側のアームの長さを5段階に変化させた。被験者の課題はL字形の内側の角が見えるかどうかを判断することである。他の実験手続きは昨年とほぼ同様。[結果]図2に示されているように、外側のアームの長さは主観的な角の形成にあまり影響を与えていない。また50%の比率で主観的なアームが見える長さは約0.6度であった。
実験2。[目的]外側のアームの長さを一定にし、内側のアームの縦(6段階)と横(3段階)の長さを変えて、これらが主観的な角の見えにどういう影響を与えるかを調べる(図3)。[結果]図4からわかるように内側のアームの一方が短いとき、主観的な角は形成されやすくなる。[考察]被験者の何人かは横のアームが短いとき、L字形を覆う長方形の縦の辺がアームに平行で近くにあるので、アームが見やすいと報告した。この可能性を次に調べる。
実験3。[目的]ここではL字形ではなく、I字形(図5)を用い、主観的アームの形成に及ぼす、覆い隠す図形の幅の効果を調べる。もし実験3でえられた示唆が正しいとすれば、図5におけるbの長さが短いほど、主観的なアームが見えやすいはずである。[方法]aの長さを7段階、bの長さを5段階に変えた。[結果]図6からわかるように、bの長さが短いほど主観的アームが形成されやすい。またbの長さが16ドットのときと32ドットのときには差がなくなっている。
実験4。[目的]覆い隠す図形が正方形の場合と八角形の場合(図7)を比較する。もし内側のアームの近くにそれと平行な線のある方が、主観的な角が見えやすいとすれば、正方形の方が有利であろう。もし覆い隠す図形の面積が小さい方が主観的な角が見えやすいとすれば、八角形のほうが有利であろう。[結果]図8からわかるように、内側のアームが比較的短いならば、覆い隠す図形が正方形のときの方が、主観的な角が見えやすい。しかし内側のアームがある程度以上長くなると、正方形と八角形の間に差がなくなる。
[結論](1)覆い隠す図形の外側にあるアームの長さは主観的角の形成に主要な影響を及ぼさない。(2)覆い隠す図形の辺が主観的アームと平行でかつそれが近くにあるとき、主観的なアームおよび主観的な角の形成に促進的な効果を及ぼす。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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