研究課題/領域番号 |
06610120
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
佐々木 保行 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60007961)
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研究分担者 |
八木 成和 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (90253244)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 性被害 / 幼児 / 実践的技法 / 感情識別学習 / 人権意識 / 快的肯定的感情言語 / 不快・否定的感情言語 / ロール・プレイ / 子ども / 性被害防止 / 安全スキル / プログラム / からだのふれあい / コミュニケーション / 言語的メッセージ / 学習用ビデオ |
研究概要 |
本研究は子どもが様々な局面をのりこえることを通して、子どもに独立心や自主性を獲得させるための方策を検討することである。具体的には性被害から自らのからだと心を守ることのできる確かな態度と行動を学習できるスキルとそのプログラムの開発を行った。この研究を具体化するため、主にアメリカでの研究を参照しながら、幼児が自己の存在と人間性が否定されるような事態に遭遇した場合にとるべき態度と行動の実践的技法は、自己尊重の感情を表現する能力の育成である。そのため自己の感情を識別する学習が重要な課題となる。この感情識別学習は、学校教育でもまた家庭教育の中でも、わが国で取りあげられることが少なく、人権感覚や人権意識の育成の基礎的プロセスとして重要視されなければならない課題である。本研究では、幼児に対し絵本を使用して、“たのしい"“きもちいい"“おもしろい"“うれしい"などの快的・肯定的感情言語と“つまらない"“きもちわるい"“いやな"“かなしい"などの不快・否定的感情言語を、自己の言葉として表現できるプログラムを作成して実験した。その結果、幼児でも自己の感情を適切な感情言語を使用して、表現することが可能となった。 一方、この感情識別学習の目的は肯定的自己イメージを育成することであるが、この課題と密接な関連をもつ側面に、性被害から自己を守る方法としての適切な判断のもとに対応できるスキルの獲得という課題がある。本年度はとくに、幼稚園の保育カリキュラムの中に“ロール・プレイ"を取り入れ、実践的な研究を行った。その結果、不快な感情を引き起こすような困難な事態の場合でも、明確な感情言語を発してその場から離れ、しかも“いやだ"という意志決定言語を使用することが可能となった。今後は小学生以上の子どもを対象とした具体的プログラムの開発を目的とする研究を展開する。
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