研究課題/領域番号 |
06610128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 豪 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90150557)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | タイプA行動 / 失感情 / ストレス性疾患 / ドーパミン作動系機能 / MMPI / エゴグラム / MMP I |
研究概要 |
タイプA行動パターンは冠動脈疾患の発症に関わる心理・行動的因子として注目されている。このような行動パターンは広くストレス性疾患全般の発症原因となるものと考えられる。またタイプA行動パターンはストレス性疾患患者にしばしば観察される失感情、過剰適応といった行動特徴を含むことが推察される。そこで本研究ではストレス性疾患を持つ患者群と健常被験者群を用いてタイプA行動パターンと失感情傾向が各群にどのように観察されるかを検討し、また患者群では視床下部・下垂体系のドーパミン作動系機能を手がかりとしてその特徴の比較を行った。 これらの被験者に当研究者が新たに構成したタイプAの測定法に基づく質問紙とミネソタ多面的人格目録(MMPI)、エゴグラムを施行した。これらの質問紙の統計的検討によりエゴグラムではドーパミン作動系機能が影響を及ぼす尺度は見いだされなかった。しかしMMPIではストレス性疾患患者の中でドーパミン作動系機能が正常反応である群のほうが無反応である群よりも抑うつ性尺度の得点が高い傾向が窺われた。このことはドーパミン作動系機能が無反応である群の方が、抑うつ尺度に反映される抑うつ感、無気力、身体的愁訴、心配や緊張などの心理的な問題を表現しにくいことを示している。さらに多次元尺度構成法によって新たに作成した質問紙を分析したところ、健常者群とストレス性疾患患者群の判別、またストレス性疾患患者のドーパミン作動系機能の無反応群と正常反応群の判別が可能であることが示唆された。この分析結果から、健常者群に比べてストレス性疾患患者群のほうがストレスを認知しやすいことが窺われ、さらにドーパミン作動系機能の無反応群は正常反応群に比べて過剰適用傾向を持ちながら、日常生活におけるストレスをあまり認知していないことが示された。
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