研究課題/領域番号 |
06610200
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山本 剛郎 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90068742)
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研究分担者 |
三上 勝也 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (10068752)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 社会構造 / 地域構造 / ライフヒストリー / 家系図 / BC州和歌山県人会 / 通婚範囲 / カナダ三尾連絡協会 / むらの精神 / 階層 |
研究概要 |
ここでの目的は、三尾村(現在の美浜町三尾)の社会構造や地域構造を時系列的に把握した後、かつての移民母村としての三尾が現在をどのように生きているのか追求することにあった。 そのために家ごとに家系図を作る作業を試みた。遡れるだけ遡り、各家でカナダに最初に出掛けたパイオニア的人は誰か、出かけた理由は何か、その人の現地での主な仕事は何だったか、および、その頃家の経済状態を尋ねた。カナダに出稼ぎにゆくことによって多くの家の経済状態は改善された。現地で魚がよく捕れたからであり、漁師としての腕が確かであったからである。漁期を過ぎると帰国する者がかなりいたが、そのことが結果として渡航熱をあおった。口コミで伝わるのは早く、一部の村の上層部を除いて、多くの世帯が海外に出かけた時期もあった。当時を懐かしがる人は今も少なくない。彼らの大部分はカナダ政府の年金生活者でもある。 ライフヒストリーを中心に聞き取った際にはいくつか印象に残ることがあった。つまり、農地改革、老親扶養、自分の健康への不安等が、長年の現地での滞在歴にも関わらず、ある人にとっては帰国の大きな要因であったが。家族や家の問題を抜きにして渡航は考えられないと言うことである。 日高港の港湾整備との関連で漁場が荒廃していることもあり、三尾は、観光開発についてはこれを控える努力をする一方、過疎化・高齢化に対処するため「アメリカ村に別荘を」という響きのよいキャッチフレーズのもとに別荘の開発を進めている。と同時にBC州の和歌山県人会とも連絡を取って地域間の国際交流も活発に展開している。移民母村としての名をむらおこしに活用してしると言えようか。
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