研究課題/領域番号 |
06610315
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
荻 慎一郎 高知大学, 教育学部, 助教授 (60143070)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 鉱山 / 山法 / 制札 / 慣習法 / Custom Law |
研究概要 |
1.東北地方の鉱山法については、秋田藩領を中心に史料の調査・収集を進めたが、本研究課題において設定した仮説である鉱山法の重層性の検証、鉱山社会を鉱山法から考察する研究目的については、その見通しを得ることができた。さらに、これまで所在の確認できなかった南部藩領の「山法」を見いだし、また、鉱夫間で流布した「山例五十三カ条」の東北地方における広汎な存在とその内容の相違など検討すべき課題の確認、秋田藩と南部藩領では鉱山法に共通点が多々あり、同じような構造をとっていたことが推定しえた。 2.中部地方の鉱山法史料については、飛騨・加賀・越中の鉱山を中心に調査を進めたが、これまであまり知られていない近世初期の鉱山へ発令された大名発給の法を見いだすことができた。 3.中国地方の鉱山法史料については、幕府直轄の生野銀銅山関係史料の調査を進めたが、鉱山町の性格を含めて鉱山支配のための法について再検討すべき課題もあるように思われ、今後の研究課題となるであろう。 4.中国地方の鉱山法史料については、直接この地域の鉱山法の調査はしなかったが、幕府の元禄11年鉱山開発令に対する大名の対応として、土佐藩の事例を調査し、当該期に薩摩藩と同様に積極的に対応して、銅山開発を進めた事例を検出した。 5.九州地方の鉱山法史料については、対馬藩領鉱山と薩摩藩領鉱山の関係史料の調査・収集を中心に進めた。両藩領でも秋田藩領鉱山と同様に高札・制札が存在し、その内容等で相違点なども確認できた。 6.研究成果については、両年度に研究会等で口頭の研究発表をし、一部はペ-パ-発表したが、いまだ調査で得られた知見の成果を全面的に発表しておらず、今後、論文等において成果を発表する予定である。
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