研究課題/領域番号 |
06610322
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
中尾 堯 立正大学, 文学部, 教授 (70070521)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 松尾社一切経 / 妙蓮寺 / 松尾大社 / 大般若経 / 経櫃 / 一切経目録 / 経典の保存 / 経典の整理 / 経 櫃 |
研究概要 |
平成五年の夏に、京都妙蓮寺宝蔵から発見された「松尾社一切経」四千巻調査・整理するのが、この目的である。このため、次のような作業を行った。 (1)「松尾社一切経」の伝存状況は、虫・水損や物理的な破壊によって極めて悪い状態にあった。このため、従来の木箱(経檜)から全体を取り出して、埃を払ったうえで各巻を開巻し、和紙製の文書袋に入れて仮箱に納める作業をまず行った。 (2)上記の経巻を順次に取り出して、文化庁の指導によって作成した典籍調査表を用いて、詳細な調査を実施した。この作業が大変で、延べ百名以上の大学院生の協力を得て、長期間に渡る作業を継続した。この助成金によって、ほぼ三千枚のカードを取り終えた。 (3)既調査の経巻を部類別に分け、このうち大部のものを部類別に類集することによって、報告書と一切経目録の作成についての基本的な準備を整えた。この作業によって、大般若経が六百巻の内四百巻が残存し、その中に十一世紀から十二世紀にわたって書写されたものが混在していることがわかった。それは、この一切経の成立事情を物語るものである。 (4)大般若経など、全体的な編成がわかる教典については、これを取り出して写真撮影を実施した。撮影箇所は、表紙・見返し・第一紙・第二紙・末尾など最低五コマとし、マイクロフィルムを用いた。この点は目下処理中であり、成果を出すにはなお時間を要する。 (5)木製の経櫃については、典籍の保存という観点から調査を進めている。温・湿度の調整や防虫・鼠の施策など、提起された問題は多い。 以上の作業を意欲的に進めたのであるが、何しろ四千巻という大量の経巻であるため、予定よりはるかに遅れて約四割の達成度である。残りは明年度をもって完成し、平成八年には一切経目録を刊行の予定である。
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