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近世初期における東北諸藩の藩政確立の実態と特質

研究課題

研究課題/領域番号 06610326
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関郡山女子大学短期大学部

研究代表者

竹川 重男  郡山女子大学短期大学部, 助教授 (30261085)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード天正 / 文禄 / 検地 / 荒田 / 荒畑 / 焼畑 / 新田開発 / 灌漑設備
研究概要

研究目的にそって史料を調査分析した結果以下のことが知られた。
(一)東北地方の天正検地と文禄検地にみられる「荒」について
天正検地を福島県に現在する.田島郷の検地帳(写本)でみると、荒田、荒畠の比率は、全面積に対して、荒田が1.0%荒畠が2.4%、合計で3.4%と比較的低率である.これを文禄検地と比較すると、会津の大沼郡喰丸村文禄3年の検地帳では田の荒が7.7%、畠の荒が22.8%、合計で30.5%となっており、9倍弱の比率の増加がみられる。しかも文禄検地の荒には3年荒、4年荒などの記載がある。このことは次のことを想定させる。即ち年数を限った「荒」とは、畠の場合は焼畑の休耕地が多く含まれている可能性が高いこと、水田の「荒」は水の配分をめぐる定期的「荒」である可能性があること。これらの「荒」は天正検地においては、検地帳から除外されていたこと。文禄検地にいたって、これら不安定な荒地も検地帳に登録したこと。等である。蒲生領においては、文禄検地の結果18万,5500石(25.2%)の出目があったが、これは領主権力と在地農民の抵抗の力関係の変化によって、不安定な荒地を登録できるようになった結果と考えられる。
(二)「荒」と新田開発について、
更に慶安検地、寛文検地段階になると、文禄検地での「荒」が灌漑施設や新田開発等の奨励によって減少し、常田、常畑となる。それとともに依然荒地のまま残った土地は検地帳より除外される(慶安検地)。また新田開発の進行の結果、新田が本田に組み入れられる(寛文検地)。(以上会津の場合)。これらの政策は大閤検地の不徹底さを解消する過程であったと考えられる。今後は、昭和前期まで多く残存した焼畑慣行の調査を行い、新田開発と焼畑との関係、焼畑の本田・畑化の研究をすすめたい。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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