研究課題/領域番号 |
06610340
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
東 晋次 (東 普次) 三重大学, 教育学部, 教授 (20108369)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 漢代 / 豪族 / 墓葬 / 郡県分布 / 群県分布 / 中国古代 / 漢墓 / 地域性 |
研究概要 |
本研究においては、『文物』と『考古』の両誌に限定して、1949年以降の両誌に掲載された、漢代文物に関する報告をすべてカード化し、コンピューターに入力して、簡易なカード型データベースソフトによって分類・整理した。1995年12月までの両誌に載せられた報告件数は、1569年にのぼる。それらの報告には墓葬報告・遺跡調査報告・出土状況不明の文物に関する報告・研究論文が含まれている。 本研究ではひとまず、1569件の報告カードに含まれる840件の漢代墓の報告に限定して、その地域と時期について一つの傾向を探ることにした。また、鶴間和幸氏の研究成果である。文献史料による漢代豪族に関する史料をもカード化して分類・整理し、漢代墓の報告カードと比較するという方法を採用した。その結果、中国全土における墓葬発掘の総計の中に占める後漢後期墓の発掘例が異常に多いことが判明し、この時期に豪族勢力の一層の伸展が得られたという、従来の指摘を再確認することができた。 また、漢代史の展開に伴い、華北から華中・華南へと豪族的社会の形成が進行したこと、特に荊州・揚州・益州などの長江の中・下流域において漢代後半期(後漢期)に豪族社会への展開が見られたであろうこと、が作成した統計資料から判明した。この点は、拙著『後漢時代の政治と社会』において文献的に推論して示した、後漢前期において儒家官僚の主要な出身地域であった三輔・関東地域から、中期・後期にかけて巴蜀・江淮地域出身の儒家官僚が次第に中央官界において重要な役割を果たすようになる、という認識と合致する結果となった。 以上の研究成果の詳細については、研究報告書を参照されたい。
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