研究課題/領域番号 |
06610341
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
狹間 直樹 (狭間 直樹) 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (40066410)
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研究分担者 |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (10222978)
森 時彦 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70027564)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 西洋近代文明 / 明治期著訳書 / 東邦協会会報 / 梁啓超 / 孫文 / ローラン夫人 / 徳富芦花 / フランス革命 / 中国知識分子 / 人口論 / 信仰 / 経済学説 / 世界観 / 新民説 |
研究概要 |
近代中国のインテリゲンチャが西洋近代文明、すなわち諸科学と技術の体系を受容するにあたり、もっとも重要な経路となった日本の明治期のもろもろの著書・訳書・雑誌等々の刊行物を通じての直接的な研究は、その必要が痛感されながら、部分的にしか着手されていなかった問題なのである。その理由は、それら基礎的文献について、その蒐集さへ相当に困難を伴うことだったからである。本研究では、すでに前の報告書でも若干述べたが、梁啓超や孫文といった、近代中国に西洋近代文明を導入するにあたってほとんど決定的な役割を演じたキ-パースンがかかわりをもった東邦協会の会報(《東邦協会会報》)を創刊いらいのものをコピー等を含めて集め、また、《新民叢報》等の文章と下敷とされた日本の刊行物をかなりな程度まで集めることに成功した。後者の一例として、「羅蘭夫人伝」(梁啓超の政治思想を語る上でのもっとも重要な文書の一)の下敷、というよりほとんど翻訳の底本とでもいうべき、徳富芦花の編にかかる《世界古今名婦鑑》「仏国革命の花ーローラン夫人の伝」を集めえたことを挙げておきたい。また、研究の面では、1995年秋のフランスのガルジ-でおこなわれた「20世紀初頭の近代中国における西洋近代文明の受容をめぐる国際シンポジウム」において、研究代表者の狭間が梁啓超来日後の思想変化の歴史的意味を、分担者の森が人口論を通してみた社会科学受容の様相を、石川が‘理論信仰'の人文科学的分析を行ったが、それらの研究はそれぞれにさらに発展させられて、目下、《梁啓超の研究》なる論文集ーまさに日本を媒介とする西洋近代文明の中国近代における受容についてのケーススタディの書ーに収められることになっている。
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