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モスクワ国家の貴族層-プロソポグラフィーの手法によるその形成史に関する研究-

研究課題

研究課題/領域番号 06610351
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関北海道大学

研究代表者

栗生澤 猛夫  北海道大学, 文学部, 教授 (40111190)

研究期間 (年度) 1994 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードモスクワ国家 / 身分制 / 封建制 / 貴族 / 退去権 / 勤務の自由 / 勤務人層
研究概要

本研究はモスクワ国家の貴族層を、プロソポグラフィーの手法を用いて、分析することを目的としてはじめられた。具体的には、貴族個々人の伝記的・系譜的情報をできるだけ多く集めて、貴族諸家門及び個々人と君主権力の関係、貴族の諸家門・諸グループ間の関係、貴族層全体の果たした役割等を明らかにすることが目的であった。
各年度の成果をまとめると、平成6年度には、研究の前提として、そもそもモスクワ国家に君主権との関係で問題にしうるるような、西欧におけると同様な貴族「身分」が存在したかどうかを問い、一応の肯定的結論をだした。次いで、平成7年度には、貴族のいわゆる「退去権」に焦点をあわせ、それが君主権との関係で貴族に一定の自由を保証するものであったかを問い、これに否定的に答えた。すなわち、退去権は、あくまでもモスクワ国家の政策的必要性から導入されたものであったのである。ただし、これをもってモスクワ貴族の無意味性の論拠とすることはできない。モスクワ貴族はその存在意識を、君主権との密接な関係のうちにこそ見いだしていたからである。最終年度には、いわゆるイヴァン雷帝の「千人書」に注目し、広義におけるモスクワ貴族層の勤務人としての具体的あり方を検討した。また報告書には、ボリス・ゴドノフが権力を掌握するまでの貴族層との関係を考察する一文を付け加えた。
以上から、本研究では、モスクワ貴族層が多様な局面でツァーリ政府の統治に参画し、モスクワが単に専制国家と言われるのとは大きく異なる実態を有していることを示しえたことで、研究の目的の過半は達したと考える。本研究は貴族個々人のデータの電算化処理という点では課題を残したが、それは研究の前提的作業が予想外に多かったためで、この点は、何とか近い将来において埋め合わせたいと考えている。

報告書

(4件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (30件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (30件)

  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "ロシアにおける「身分制」および「封建制」の問題" スラブ研究センター 研究報告シリーズ. 55. 1-18 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について" 和田春樹他編 スラブの世界・スラブの歴史 弘文堂. 3-31 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "いわゆる「戦う教会」のイコンについて" 坂内徳明,栗生澤猛夫他編『ロシア聖とカオス』彩流社. 66-87 (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "『千人書』について-イヴァン雷帝の1550年10月の改革案をめぐって-" スラヴ研究. 43. 1-31 (1996)

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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "ロシア史におけるモンゴル支配の意味について" ロシア史研究. 58. 4-15 (1996)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] (栗生澤猛夫)(共著): "世界歴史大系 ロシア史 9-17世紀 1(田中他編)" 山川出版社XV,449,60 栗生澤執筆分131-277, (1995)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] スクルィンニコフ(栗生澤猛夫訳): "イヴァン雷帝" 成文社, 398 (1994)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T.: "The problem of "Standewesen" and "feudalism" in Russia" Slavic Research Center Occasional Papers. 55. 1-18 (1994)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T.: "On the right of departure or the freedom of service in Muscovy" Wada H., et all., (ed.) History of the Slavs. 3-31 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T.: "On the icon of the so-called "Church militant"" Bannai T., et all.(ed.) Russia--Holiness and Chaos. 66-87 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T.: "On the "Book of a Thousand"" Slavic Studies. 43. 1-31 (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T.: "On the meaninng of the "Tartar York" in Russian history" Russian History. 58. 4-15 (1996)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KURYUZAWA T., (Co-author): Russian History I. YAMAKAWA Publ.Comp, iv+449+60 (1995)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Skrynnikov R.G.(translated by KURYUZAWA T.): Ivan the Terrible. Seibunsha, 398 (1994)

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    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 栗生澤 猛夫: "ロシアにおける「身分制」および「封建制」の問題" スラヴ研究センター 研究報告シリーズ. 55. 1-18 (1994)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤 猛夫: "モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について" 和田春樹他編 『スラヴの世界・スラヴの歴史』弘文堂. 3-31 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤 猛夫: "いわゆる「戦う教会」のイコンについて" 坂内徳明,栗生澤猛夫 他編『ロシア 聖とカオス』彩流社. 66-87 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤 猛夫: "『千人書』について-イヴァン雷帝の1550年10月の改革案をめぐって-" スラヴ研究. 43. 1-31 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤 猛夫: "ロシア史におけるモンゴル支配の意味について" ロシア史研究. 58. 4-15 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] (栗生澤猛夫)(共著): "世界歴史大系 ロシア史 9-17世紀 1(田中他編)" 山川出版社, XV,449,60(131-277) (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] スクルィンニコフ(栗生澤猛夫訳): "イヴァン雷帝" 成文社, 398 (1994)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "ロシアにおける「身分制」および「封建制」の問題-「近世」ロシアの国制理解のための手がかりとして" スラヴ研究センター研究報告シリーズ. 55. 1-18 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について" 和田春樹他編『スラブの世界・スラヴの歴史』弘文堂. 3-31 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "いわゆる「戦う教会」のイコンについて" 坂内徳明,栗生澤猛夫他編『ロシア聖とカオス』彩流社. 66-87 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] (栗生澤猛夫)(共著): "世界歴史大系・ロシア史9-17世紀1(田中陽兒他編)" 山川出版社, VV,449, 60, 131-277 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] スクルインニコワ(栗生澤猛夫訳): "イヴァン雷帝" 成文社, 398 (1994)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "ロシアにおける「身分制」および「封建制」の問題-「近世」ロシアの国家理解のための手がかりとして-" スラヴ研究センター研究報告シリーズ. 55. 1-18 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "いわゆる「戦う教会」イコンについて" 中村喜和編『ロシア-聖とカオス』(彩流社). (予定). 69-87 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 栗生澤猛夫: "モスクワ国家における貴族の退去権ないし勤務の自由について" 和田春樹他編『スラヴの歴史』(弘文堂). (予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] スクルィンニコフ(栗生澤猛夫訳): "イヴァン雷帝" 成文・社, 398 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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