研究課題/領域番号 |
06610386
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
西口 壽生 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (80000511)
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研究分担者 |
深澤 芳樹 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (40156740)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 土器 / 容量算定 / 基礎的容量 / 容量組成 / 土器様式 / 生活様式 / 容量の系譜 / 度量衡 / 容量 / 系譜 |
研究概要 |
A.土器等の容量測定・算定を、前年度に作成した基準資料の目録等に基づいて、継続して作業を進めた。 弥生土器については東大阪市の資料を中心とし、弥生土器集成から選択した器種を加えた。古墳時代の土器および7・8世紀の土器については、飛鳥藤原地域出土の庄内式、布留式土器および韓式系土器や飛鳥時代の土師器、須恵器を対象とした。また、金属器については正倉院伝来の佐波理製皿、加盤、法隆寺伝来の容器類について行った。 B.集積データの検討は、グラフ化などの基本的処理が充分でなく、一般的な段階に留まった。また、検討の前提として、昨年度に問題とした算定誤差については、入力数値を入れ替えて検討した結果、大きさに関係なく5パーセント内外、1割未満であった。その為、大型器種の容量はリットル単位あるいはせいぜい500ml単位としてしか問題にし得ないことになる。一方、小型器種や一器種内の形態の細かな違いについては、100〜50ml単位での検討が必要で、これらを同時に処理することには問題がある。しかし、大型と小型の偏在こそは、調理法の多様化と食事の様式変化の土器容量への反映であり、そうした側面からの検討については大型器種に合わせた「粗い精度」で行うこととした。例えば、生活用の容器だけを取り上げて、リットル単位で時代を通して集成すると、存否では時期的な違いは余りなく、主体がいずれにあるかの違いであって、それぞれの容量分布の変異を問題にしなければ、基礎的な容量単位に変化がないことが読みとれる。形態、手法の上の外的要因によるとされる変化は一時的なもので、生活形態や身体的規範をもとにした度量衡が底流として存在することが予想される。 7世紀の土師器杯類の系譜が金属製食器にあることは、正倉院の佐波理加盤(入れ子式)の容量変化との対比によってさらに明確に読みとれる事が判明した。
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