研究課題/領域番号 |
06610396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内田 賢徳 (1996) 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90122142)
川端 善明 (1994-1995) 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10026825)
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研究分担者 |
川端 善明 大谷女子大学, 文学部, 教授 (10026825)
内田 賢徳 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90122142)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | テニハ / モダリティ / 連体形終止 / 手爾波大概抄 / てには網引網 / あゆひ抄 / 春樹顕秘抄 / 春樹顕秘増抄 / 姉小路式 / 詩の玉の緒 / テニヲハ / 手爾葉大概抄 |
研究概要 |
18世紀後半は、日本文法学にとって画期をなす時期である。一括して旧派と称せられる『手爾波大概抄』『姉小路式』『春樹顕秘抄』などは、かかへ、とまり、おさへ、つめ、はねなどの係り受けの概念を、より広い現象の中に求め、多くの證歌をあげて説明することへと展開した。文構造への視野が漢として、文法論としての体系性を欠くその態度は、また用例の観察においても品詞論的に正確とは言えない。18世紀後半は、それらへの批判と共に、それらを承けつつ構造的な捉え方へと進化した時期であった。 本年度は、その出発に位置しつつ、まだ多分に旧派的な傾向ももつ『てには網引網』を中心に、そこから『あゆひ抄』『詞の玉緒』の論述のあり方を展望する討議を行った。その検討の中で、『てには網引網』を転換点とする諸述語の概念的な進化や、新しい概念の成立を跡づけることができた。 その一方で、本年度は代表者内田賢徳が、漢語文典との比較に資すべく、漢語の語法の、殊に日本漢字文献でそれの研究に努めた。しかし、この観点は漢語の用法についての広く深い素養を必要とし、その足がかかりの論文を執筆したに留まった。今後、字書などの分析も含めた比較の試みられるべき領域である。また分担者川端善明は、文の具体的な形式についての研究を踏まえ、上代日本語の歌の中に、独特の連体形終止の形式を見いだし、上代日本語の文構造の中に位置づけた。
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