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集合動産譲渡担保の理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06620031
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 民事法学
研究機関大阪大学

研究代表者

千葉 恵美子 (福永 恵美子 / 福永 惠美子)  大阪大学, 法学部, 助教授 (70113587)

研究期間 (年度) 1994 – 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
キーワード集合動産譲渡担保 / 譲渡担保 / 流動債券譲渡担保 / 動産担保 / 担保取引 / 集合物論 / 集合動産 / 集合物 / 集合債権
研究概要

理論上、物の集合体の上には一個の物権は成立せず、また集合物概念は原則として物を有体物に限定する民法85条に反するとされてきた。しかし、実務では、在庫商品や原材料のような多数の動産の集合体を一括して譲渡担保に供する方法が広く利用されるようになり、最高裁昭和五四年判決を契機に、中小企業の担保手段として判例法上、認知されるにいたった。
そこで、学説は、一方で、集合動産譲渡担保実行前であっても、動産の集合体上に一個の担保権としての効力を認めつつ、同時に、一定の範囲で集合物を構成する個別動産の浮動担保性を承認するという、一見相矛盾する法律効果を合理的に説明するために、数多くの試みを行ってきた。この問題はなおも論争中である。
本研究の主な成果は、「集合物」概念の有用性を証明し、再構成した点である。集合物概念を認めるかどうかについては現在見解が激しく対立しているが、(1)爾後取得動産について新たな行為なくして担保の効力および対抗要件の具備の効果が及ぶこと、(2)爾後取得動産に対する対抗要件具備時期を、個別動産が集合物へ搬入された時点ではなく、担保権が設定され「集合物」に対抗要件が具備された時点まで遡及させること、(3)したがって、また、この点から、債務者の資産状態が悪化していない段階で担保権が設定されているかぎり原則として爾後取得動産についても破産法上の否認の対象からはずれること、以上の点を合理的に説明するためには、集合物を一個の物として取り扱う必要まではないが、実行前にも集合動産に対して一個の担保権の成立を認めるべきである。もっとも、動産の集合体を一個の「集合物」として捉えていくとしても、それは有体物とは異なり、観念的便宜的な存在である。そこで、このような「物」に対して対抗要件を認めていくためには、(a)動産の集合体に場所的一体性があること、(b)個別の物の集合体の価値を越える集合物としての価値の存在が最低必要であると解される。特に、前記(2)の効力を認めるためには、単に動産の集合体であるだけで「集合物」性を認めるべきではないと解される。集合動産譲渡担保権者が、継続的な取引関係にある事業者間で利用され、銀行取引ではあまり使われなくなっている現状からすると、集合動産譲渡担保の対象に絞りをかける見解が実務的にも妥当であると考える。
現在研究はまとめの段階であり、早ければ来年度中に研究成果を単行本として出版する予定である。

報告書

(4件)
  • 1996 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1995 実績報告書
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (16件)

  • [文献書誌] 千葉恵美子: "特定債権譲渡規制法に基づく債券譲渡と差押" 阪大法学. 44巻2・3号. 71-88 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 千葉恵美子: "更生手続と集合動産・集合債権の譲渡担保" 判例タイムズ. 866号. 276-279 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 千葉恵美子: "集合債権担保の成立と予約" 判例タイムズ. 887号. 14-23 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 千葉恵美子: "集合動産の譲渡担保" 別冊ジュリスト. 136号. 206-207 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 椿寿夫: "担保法の判例II" 有斐閣, 372 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Emiko CHIBA: "Assignment of Chose in Action as Asset Backed Finance and Attachment of Debt" Osaka Law Review. Vol.44 No.2・3. 71-88 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Emiko CHIBA: "Floating Charge in Bankruptcy" Hanrei Times. No.866. 276-279 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Emiko CHIBA: "Accounts Receivable Financing and Reservation" Henrei Times. No.887. 14-23 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Emiko CHIBA: "Inventory Financing" Jurist. No.136. 206-207 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Toshio Tubaki: Case Law of Security II. Yohikaku, (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1996 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 千葉惠美子: "集合動産の譲渡担保" 別冊ジュリスト(民法判例百選I). 136. 206-207 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 千葉惠美子: "集合債権担保の成立と予約" 判例タイムズ. 887号. 14-23 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 千葉惠美子: "集合動産の譲渡担保" 別用ジュリスト. 136号. 206-207 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 千葉恵美子: "特定債権事業規制法に基づく債権譲渡と差押" 阪大法学. 44巻(2・3号). 71-88 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 千葉恵美子: "更生手続と集合動産・集合債権の譲渡担保" 判例タイムズ. 866号. 276-279 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 椿寿夫: "担保法の判例II" 有斐閣, 372 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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