研究課題/領域番号 |
06630086
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
木嶋 恭一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10134826)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | テクノポテンシャル / 技術指向企業 / 研究開発 / タイムラグ / 潜在的技術力 / 情報知識産業 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究は、技術指向企業の潜在的技術力を測定するための指標としてテクノポテンシャル(Techno-Potential)という新しい概念を提案し研究開発活動および「技術力」の特徴と相違点を明らかにした。 技術指向企業ないしはある国の製造業全体の潜在的技術力を従来に比べてより有意味に測定できる新しい概念としてテクノポテンシャルを提案した。生産活動に対する資本・労働以外の要因を説明し測定する尺度としては、従来TFP(Total Factor Productivity)がしばしば用いられてきた。しかし、TFPは実際の測定に技術的困難性を伴い、また技術力以外の要因を分離できないことが指摘されている。テクノポテンシャルは、これらの欠点を補う新しい概念である テクノポテンシャルは、技術指向企業あるいはある国の製造業全体において投入された研究開発費に対して、それが実際の成果(製品、特許あるいは研究論文など)を生み出すための懐妊期間(タイムラグ)と技術の時間的な陳腐化を考慮した概念である。テクノポテンシャルは、単に研究開発費を投入すれば増加すると言うわけではなく、その対象とする技術(これが懐妊期間と陳腐化率を決定する)が基礎的か応用的かに大きく依存する。テクノポテンシャルの概念は懐妊期間と陳腐化率が互いにトレードオフの関係にあることを明確に表現し、そのパレート最適的な組み合わせが重要であることを指摘した。 さらに、テクノポテンシャルの持つ限界についても指摘した。テクノポテンシャルは技術開発に向けて投入された金銭的投資の面のみしか捉えておらず、真の「潜在的技術力」を考察するために、マジネメントポテンシャルのレゼヴォアールと言う新たな概念を提案した。このレゼヴォアールは、テクノポテンシャル以外のマネジメントポテンシャを指示し結合するものであって、いわゆる組織知能に対応するものであると指摘した。さらに、組織知能を活性化しヒューマンウェアの潜在力を引き出すための方法論としてソフトシステム方法論の持つ意味について考察した。
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