研究概要 |
平成6年度から3年計画で進めてきた本研究は、2つの課題を中心に進めた。前半は,ドイツの教育制度の内容及び職業教育制度の実際と、その特徴を分析することである。そこでは、技術教育を中心とする中世以来のマイスター制度の仕組みを現在も今尚維持している姿を認める事ができる。教育制度がそのマイスター制度を維持する基盤となっており,後継者不足に悩む日本とは比較にならない強いシステムが構築されている。大学教育もやはりこのマイスター制度と結びついており,職業上の棲み分けが行われ相互依存の関係となっている。 テーマの第2は,そのシステムに外国人職業教育がどのように行われているか,である。基本的にドイツにすんでいる外国人はドイツ人と同じ環境のもとで職業教育を受けている。しかも,それと同時に政府海外援助(ODA)の一環として外国人研修者の受け入れと、ドイツ人職業指導者の送り出しとを行なっている。その際、上に述べたドイツの職業教育制度が大きい役割を演じているのである。
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