研究分担者 |
土井 誠 東海大学, 理学部, 助教授 (20049729)
堀江 邦明 東海大学, 理学部, 助教授 (20201759)
田中 実 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
杉田 公生 東海大学, 理学部, 教授 (60056083)
草場 公邦 東海大学, 理学部, 教授 (20087076)
|
研究概要 |
代数曲線,特に楕円モジュラー曲線の塔に付随するp-進コホモロジー群の構造の研究を,昨年度迄に得られた結果をふまえた上で継続した.今年度は特に,楕円モジュラー曲線の塔の1次元パラボリック・コホモロジー群のp-進ホッジ構造の研究を主眼とし,次の成果を得た. 素数p(【greater than or equal】5)と正整数Nを固定する時,“レヴェルNのp-進アイヒラ-・志村コホモロジー群"ES_p(N)Z_pが以前の研究により導入されていた.この群は個々のレヴェル(N×(pのべき))と重さk(【greater than or equal】2)の楕円カスプ形式に付随するコホモロジー群への“特殊化写像"をもつ巨大な群である.我々の研究対象はその(通常部分の)部分群e^*′ES_p(N)Z_pである.A_∞をe^*′ES_p(N)Z_pのpでの惰性群による不変部分とし,B_∞=e^*′ES_p(N)Z_p/A_∞とおく.Kを十分大きなC_pの部分体,oをその整数環とする.得られた結果は次のものである. ・B_∞【cross product】^^∧Z_poから或るΛ-進カスプ形式(カスプ形式のp-進族)の空間への標準的な同型写像が構成できる. A_∞とB_∞の間に標準的な双対性がある. この結果を“特殊化"する事により,個々のレヴェルと重さに対応するコホモロジー群が良いp-進ホッジ構造をもつ事がわかるが,上記二点はそれらのp-進ホッジ構造をp-進的に補間した普遍的なものと看做せる. この研究の本来の動機は,カスプ形式のp-進族に付随するp-進L-関数の理論への応用であった.今後の課題の第一はそれであるが,他に上記理論をアイゼンシュタイン級数のp-進族を含む形に一般化する事も重要な問題であると思われる.
|