研究分担者 |
立澤 一哉 東北大学, 理学部, 助手 (80227090)
石田 正典 東北大学, 理学部, 助教授 (30124548)
中川 泰宏 東北大学, 理学部, 助手 (90250662)
中島 啓 東北大学, 理学部, 助教授 (00201666)
板東 重稔 東北大学, 理学部, 助教授 (40165064)
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研究概要 |
本研究は,幾何構造のモデュライと変形に関連する多様体上の種々の非線型問題を大域的変分問題の立場から研究することを目的とし,次の成果を得た。 1.板東重稔は,アインシュタイン・ケーラー計量/エルミート計量の存在問題を複素多様体/正則ベルトル束のモデュライ空間の問題,あるいは退化の問題と関連付けて研究し,複素部射影空間内の超曲面に対してChow安定性とアインシュタイン・ケーラー計量が関係するというG.Tianによる最近の結果を,等質空間の場合へ拡張した. 2.中川泰宏は,アインシュタイン・ケーラー計量の存在問題を商特異点を許容する多様化について考案し,反標準因子が豊富なカルテイエ因子となる2次元トーリック軌道体に対して,アインシュタイン・ケーラー計量が存在するための必要十分条件は二木変量が消えることであることを証明した。 3.一方,石田正典は離散的付値環上の順トーリック多様体の理論を用いて,マスターフィンによる非アルキメデス的単位球面による一意化の改善をすることに成功した. 4.中島啓は,ALE空間上の反自己双対接続のモデュライ空間を一般化して箙多様体の概念を導入し,その上の構成可能関数の空間上にカッツ・ムーディ環の表現を構成した.また.A_nのALE空間上の反自己双対接続のモデュライ空間に対して,そのコホモロジーの次元を計算するアルゴリズムをヤング図式の言葉で与えた. 5.立澤一哉は,離散スペクトルのみを持つシュレディンガー作用素に対して,その固有値の漸近的評価を,ウイルソン基底を利用して,表象から定義される量によって与えた.また,新井仁之は,強擬凸領域上の正則ブロック関数のいくつかの特徴付けを証明し,その境界挙動を解明した.
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