研究分担者 |
塩田 安信 秋田大学, 教育学部, 助教授 (00154170)
館岡 淳 秋田大学, 教育学部, 助教授 (40006565)
坂 光一 秋田大学, 教育学部, 教授 (20006597)
宇田 敏夫 秋田大学, 教育学部, 助教授 (20006589)
伊藤 日出治 秋田大学, 教育学部, 助教授 (70091783)
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研究概要 |
シンプレクティック幾何学に於いて,もし計量を導入するとシンプレクティック構造にかなり制約を受け,その分精密な研究が期待される。その端的な例がケーラー幾何学である。無限次元多様体にシンプレクティックより弱いポアソン構造が入る例は,流体力学やプラズマ物理学でよく知られている。無限次元のケーラー多様体の例としてはループ群がその典型である。国内でループ群を調和写像の研究に活用している事例があることから,ループ群のシンプレクティック構造,またそれを一般化したポアソン構造及び群構造と両立するポアソン構造について研究した。以上は1993年(平成5年)7月の谷口シンポジウム,1993年(平成5年)10月数理解析研究所短期共同研究1993年(平成5年)12月の埼玉大学理学部数学教室談話会の口頭発表・講演を経て「ある種のリー群のポアソン構造」として数理解析研究所講究録875(June1994)に発表された。また「Symplectic and Poisson structures on some loop groups」として,アメリカ数学会からContemporary Mathematics Vol.179,“Symplectic geometry and quantizations"edited by Y.Maeda,H.Omori and A.Weinsteinに出版された。 階数一定のポアソン多様体は葉層構造を定める。シンプレクティック葉層構造と呼ばれている。一般に葉層構造があると,Godbillon-Vey characteristic classが定まる。このsecondary characteristic classをポアソン幾何学の範疇で捉えることはそれ自身として,また新たな特性類を得る手掛かりとして興味深い問題と思われる。三上はこの問題を提起し余次元1の時,解決し,1995年(平成7年)1月,秋田大学での「接触幾何学と関連分野」研究集会で「Foliations of Poisson structures and their Godbillon-Vey classes」なるタイトルで講演した。そしてこの論文は現在投稿準備中である。 今後,余次元が高い時,また階数が一定でない時の研究が残っている。また,接触構造に対する同様のアプローチが可能か否か興味が尽きない。
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