研究分担者 |
柳田 英二 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (80174548)
高橋 渉 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (40016142)
寶来 正子 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (00015588)
鵜飼 正二 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30047170)
藤井 光昭 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70016343)
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研究概要 |
低次元多様体の幾何の研究には,様々な数学の側面が現れる.本研究では,分担者の多岐に話たる専門領域と整備されたコンピュータ環境を拠り所に,他機関の研究者も含め相互研究交流を日常的にとりながら,低次元多様体の研究を進めることを指針とした.具体的な対象としては,尖点と測地的境界の双方をもつ3次元完備双曲多様体を取り上げた. このような多様体に対しては,Dehn手術のパラメータ空間からTeichmuller空間への写像が,境界の双曲構造を対応させることにより定義される.この写像の性質は多様体の内部構造と関係し極めて興味深いが,一般に明確に記述することは難しい.そこでこの写像の様相を知る第一歩として,いくつかの例に対し,具体的な計算を数式処理プログラムを用いて実験計算とした.とくに2つの例については微分を具体的に計算し,一方については局所埋め込み,もう一方については定値写像になることを確かめた.計算には,分担者および他の機関の研究者との間の交流により得られた様々なアイデアをフルに使った.これらの計算の結果は論文としてまとめ,学会・研究集会で発表した.さらに現在は,写像の微分を境界の3角形分割の摂動として現すグラフィックス化を検討中で,研究自身を継続させる予定である. 研究の性格上多くの専門家との交流が不可欠であったため,研究費の約85%を旅費,残りを謝金にあて,研究連絡などにより交流促進を計った.
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