研究分担者 |
泊 昌孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (60183878)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
藤本 坦孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
石本 浩康 金沢大学, 理学部, 教授 (90019472)
林田 和也 金沢大学, 理学部, 教授 (70023588)
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研究概要 |
Mを小林昭七氏の意味での双曲型多様体とする。このとき,複素平面CからMへの正則写像は定値写像に限る。それでは,この逆は成立するか?この問題に対しては,D.EisenmanとB.A.Taylor両氏による具体的な反例がC^2内の領域の中で構成された。従って,一般的にはこの逆問題は否定的である。しかし,Mが何かしらの条件をみたすならば,この逆が成立するのではないだろうか?実際,R.Brodyによれば,もしMがコンパクト複素多様体であれば、Mが自明でない複素直線を許容しない,すなわちCからMへの正則写像が定値写像に限るならば,Mは双曲型であることが証明された。その後,本研究代表者である児玉は,エルミート多様体(M,g)に対して,もしもMの等長正則自己同型からなるある実り一群Gで,商空間M/Gがコンパクトとなるものが存在するならば,R.Brodyの結果と同じ結論が得られることを証明した。1990年にJ.Winkelmannは,この児玉の研究の応用として,ある可解り一群GがMの正則変換群としてMに推移的に作用している場合には,「Mが双曲型であることと,Mが自明でない複素直線を許容しないことが同値である」ことを証明した。我々の研究目標は,このJ.Winkelmannの研究をより発展させ,一般の実り一群GがMの正則変換群としてMに推移的に作用している場合に,同様の結果を導くことであったが,残念ながら目下のところこの目標は達成されていない。しかしながら,本年度の研究を通して,この問題に関連して,解決されるべき多くの基本的な問題が数多くあることが認識され,今後の研究方向を明確にすることが出来たことは幸である。
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