研究分担者 |
塩田 研一 高知大学, 理学部, 助教授 (50202106)
伊藤 宗彦 高知大学, 理学部, 助教授 (40168381)
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 助教授 (50220108)
梅原 純一 高知大学, 理学部, 教授 (30036537)
小林 貞一 高知大学, 理学部, 教授 (30033806)
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研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って下記の研究成果が得られた. 1.非安定ホモトピー論自体の研究に関しては,研究代表者辺見豊が高位ホモトピー結合的ホップ空間の射影空間の構成法を改良し,そのコホモロジー環が外積代表であるような高位ホモトピー結合的ホップ空間の研究に応用した.今まで射影空間のコホモロジーを調べるには,その生成元が高位原始的のような仮定で必要であったが,この結果によりその様な仮定をせずに同様な議論が可能になることが分かった.また空間の自己写像が誘導するコホモロジー環の準同形写像について研究を行い,球面上の球面束に関して結果を得た. 2.多様体理論への応用を研究する小林貞一は,実射影空間から実射影空間のホモトピーの意味で自明でない高次はめ込みの存在の可能性について調べた. 3.複素力学系理論への応用を研究する諸澤俊介は,フックス群の極限点を,その点に近づく軌道の位数により分類し,いくつかの特徴づけをした.さらに,その位数と収束指数との関係を論じた.またリ-スの出した問題「少なくとも周期2である吸引周期でその直接鉢が単連結でないものをフアトウ集合に含む有理関数の例を与えよ」に対し,具体的にその例を与えた. 4.整数論への応用を研究する塩田研一は,ナップザック暗号について研究した.代表的な公開鍵暗号である基本ナップザック暗号は有理整数環のユークリッド性に基づいて設計されているので,ユークリッド虚二次体を用いても構成できることを指摘し,暗号加複号化のアルゴリズムを提示した.
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