研究課題/領域番号 |
06640168
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
金井 雅彦 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70183035)
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研究分担者 |
小山 信也 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (50225596)
太田 克弘 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40213722)
石井 一平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90051929)
前田 吉昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40101076)
伊藤 雄二 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90112987)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 群作用 / 剛性 / 葉層構造 / 接コモホロジー |
研究概要 |
離散群が微分可能多様体に微分可能的に作用しているとき、もしその作用を少し摂動しても元の作用と本質的に変わりないとき、その作用は剛性的であるといわれる。群作用の剛性問題はそもそも力学系理論における一問題と考えられる。実際、特に過去5年ほどの間に、R.Zimmer,J.Lewis,A.Katok,R.Spatzier,E.Ghysといった、主にエルゴード理論、あるいは力学系理論の専門家等により、注目すべき結果がいくつか得られている。しかしこれらの結果はすべて力学系・エルゴード理論的発想に基づき証明されたもので、それ故彼らの手法が適用できる群作用もおのずと限定される。そこで本研究においては、微分幾何学、および(確率)解析といった新たな観点から、いままでの手法では取り扱い得なかった群作用に対し剛性を議論した。まずある腫の群作用の剛性は、その群作用から自然な仕方で構成される葉層化多様体の接コホモロジーの消滅に帰着されることを示した。一方、問題の接コホモロジーの消滅を示すにあたっては、通常微分幾何学において行われるように、Bochnerの手法を用いるのが自然であろうと思われる。しかしながら、特にこの設定のもとでBochnerの手法を適用しようと試みた場合、古典的な場合においてはラプラス作用素のような楕円型微分作用素が現れるのに対し、この問題においては主要項が葉層構造の接方向には楕円的ではあるが法方向には退化した微分作用素を取り扱わなければならなくなる。そしてこの法方向への退化といった、古典的解析学の立場から見ると極めて本質的な困難を克服するために、確立解析-特に、確立微分方程式の解の初期条件に対する微分可能性-が本質的役割を演じることが本研究を通じ初めて認識されるに至った。
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