研究分担者 |
西村 純一 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (00025488)
桜田 邦範 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (30002463)
大久保 和義 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (80113661)
奥山 哲郎 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (60128733)
吹田 信之 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 教授 (90016022)
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研究概要 |
凸インテグランドの理論を凸作用素の一般論に結び付ける上で重要な課題となっていた表現定理の無限次元への拡張について,いくつかの進展があった。例えば,可分なBanach空間全体で定義され,値域である可測関数の空間の概収束の位相に関して連続な凸作用素が常に凸インテグランドで表現可能なことが確かめられ,このことから,有限次元の場合と同様に凸インテグランドの共役がもとの凸作用素の共役の表現であるという事実が上の条件下では成立することが分かった。これにより,凸作用素のsubdifferentiabilityや共役に関する回帰性のための条件,更にノーマル凸インテグランドで表現可能なための条件等が得られた。 その他凸関数に関するMoreau-Rockafellarの定理やFenchel-Moreauの定理の凸作用素への一般化も得られている。以上の結果は現在投稿準備中である。 凸作用素は定義域が空間全体でない凸集合である場合が応用上重要であり,この場合の表現定理は現在研究中である。凸集合の境界のfaceの構造に関し複雑な問題を含むため一般的に扱うのは困難と思われるが,これまでのところ,各faceが代数的内部を持つ等の条件下で表現可能であることがZornの補題を用いることで証明できた。他にも成り立つ場合がいくつか分かっているが,依然改良の余地があると思われる。 また,このような凸作用素を表現する凸インテグランドの固有の性質として成り立つと思われる,continuous infimal convolutionを用いた双対公式についても極値問題への応用を探りながら現在研究中である。
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