研究課題/領域番号 |
06640209
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (90159905)
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研究分担者 |
名和 範人 東京工業大学, 理学部, 助手 (90218066)
盛田 健彦 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00192782)
村田 実 東京工業大学, 理学部, 教授 (50087079)
井上 淳 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011613)
西本 敏彦 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016061)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ハミルトン力学系 / 可積分系 / WKB法 / スーパー解析学 / シュレディンガー方程式 / フックス群 / ゼータ関数 / マルコフ写像 |
研究概要 |
研究実施計画に従い行った研究のうち、主なものを以下に述べる。 1.積分可能系の研究については、伊藤が解析的な可積分正準写像は不動点(=連続系での特異点に対応)のまわりで、一般に可積分ハミルトン系の時間1写像で表され、それは座標変換によりバ-コフ標準形になることを示した。また正則性の問題として、ある種の非退化性(=Twist条件)を満たす解析的な正準写像が滑らかな(C^γ級の)意味で可積分ならば、周期軌道をのせた不変トーラスおよびその上で定義される(回転との)共役写像は解析的であることを示した。 2.微分方程式に関連した研究としては、西本が3階微分方程式に対するWKB法を研究し、解の漸近展開をFedoryuk理論を用いて計算できることを示した。井上は古典系のハミルトニアンから、スーパー空間上への拡張とその上での経路積分法による量子化により超対称的な(量子化)ハミルトニアンが導けることを例示し、スーパー解析の有用性を示した。またWitten指数の虚数時間量子化を用いた計算についても考察した。村田は放物型方程式に対するコ-シ-問題の非負解の一意性が成り立たないための最適な判定条件を与えた。さらに同様の問題をシリンダー上でのディリクレ問題に対しても考察し、シリンダーの幾何的性質と非負解の一意性の不成立の関連を明らかにした。また名和は擬共形変換で不変なシュレディンガー方程式に対して、爆発解の爆発時間近傍での漸近表示を得ることにより特異点の個数が有限であることを示し、懸案の問題に解決を与えた。 3.エルゴード理論の側面からは、盛田がフックス群に付随したセルバーグのゼータ関数の関数論的性質が、跡公式ではなく、マルコフ写像を通じて得られるフレッドホルム行列式を考えることによっても得られることを明らかにした。
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