研究課題/領域番号 |
06640262
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
楳田 登美男 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20160319)
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研究分担者 |
上木 直昌 姫路工業大学, 理学部, 講師 (80211069)
八木 厚志 姫路工業大学, 理学部, 教授 (70116119)
岩崎 千里 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30028261)
吉岡 恒夫 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30029673)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | スペクトル理論 / Dirac作用素 / レゾルベント評価 / 放射条件 / 散乱理論 |
研究概要 |
当初、目的としたのはDirac作用素のレゾルベントの性質をさまざまな角度から詳しく調べることであった。その理由はShrodinger作用素のスペクトル散乱理論においてレゾルベント性質が重要な役割を演じており、同じことがDirac作用素のスペクトル散乱理論においても期待されるからである。 本研究において得られた結果を以下に項目ごとにまとめる。 ・Dirac作用素のレゾルベントの作用素ノルムはスペクトルパラメータが大きくなるとき、有界にとどまるが、0に収束しない。 ・Dirac作用素のレゾルベントはスペクトルパラメータが大きくなるとき0に強収束はする。 ・Dirac作用素に対して放射条件を導入して、これを用いて極限吸収原理の結果として得られる2つの一般化されたレゾルベントを識別できるようにした。 これらの結果からわかることは、Dirac作用素のレゾルベントはShrodinger作用素のそれとは質的にまったく異なる漸近挙動を示すということである。これは大変興味深いことである。しかしながら、Shrodinger作用素の逆散乱問題においては、レゾルベントの作用素ノルムがスペクトルパラメータが大きくなるとき、0に収束することが要点であるので、Dirac作用素の逆散乱問題への応用には問題があることがわかる。Dirac作用素に対する放射条件はこれまでに発表されたことがなく、本研究において初めて導入されたものである。 Dirac方程式は抽象的にはBanach空間における発展方程式とみなせるが、これに関連して分坦者の八木教授は準線形の放物型の発展方程式について結果を得た。また、上木講師はDirac作用素と関わりの深いShrodinger作用素(磁場のポテンシャルがある場合)のスペクトルに関して興味ある結果を得た。
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