研究概要 |
非線形2階常微分方程式の周期解及び振動解について研究。リエナ-ル方程式系(dy)/(dx)=y-F(x),(dy)/(dx)=-g(x)が周期解を持つための十分条件を調べている。特に,g(x)=λx(λ>0)かつF(-x)=-F(x)として、関数F(x)がxの増加とともに正負の符号を変え,(F(x)=0となるxを順に0,Z_1,Z_2,……としておくと)振動しながらその振幅を増大させる場合に周期解が存在することはN.G.ロイドやP.ポンゾ-N.ワックス等の研究によって知られている。特に後者等により,an=∫^<Zn>_<Zn-1>|F(x)|dxとするときa_1<a_2であればよいことが示されている。これに対し,F(x)の振幅が減少する場合にも周期解が存在し得ることを示した。即ち,F_L(x)=min{|F(x)|,|F(2e_n-x)|}Fu(x)=max{|F(x)|,|F(2e_n-x)|},Zn-1≦x≦Zn 但しe_n=1/2(Zn-1+Zn) Zn=nTとするときF(x)により定まる1より小さな定数Knに対し,2≦n≧Nのとき∫^<Zn>_<Zn-1>F_L(x)dx≧Kn∫^<Zn-1>_<Zn-2>Fu(x)dxが成り立つとき,少なくとも(N-1)個の周期解が存在する。この結果によれば,例えば F(x)=1/2e^<-1/4|x|>sin xに対して,Zn=nπとするとき,a_1>a_2でありながら周期解が存在することが導き出される。
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