研究分担者 |
塩谷 隆 九州大学, 大学院数理学研究科, 助教授 (90235507)
塩浜 勝博 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (20016059)
梶原 壌二 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (90037169)
小西 貞則 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (40090550)
柳川 尭 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (80029488)
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研究概要 |
X,Yを群Gに値をとる独立確率変数列で,Xは同分布列,またX・Yを項別積列とする。今XとX・YがG値列全体の空間に導く確率測度をそれぞれPとQとするときPとQの絶対連続性(P〜Qと書く)をYの分布で特徴づけることが問題であった。この問題の最も簡単で基本的な場合がGが実数加群の場合であり,これについては(代表者佐藤の貢献を含め)多くの結果が知られている。今年度はまずGがこの実数加群の場合について知られていることを整理することから始めた。これらをまとめて「無限次元確率解析」日米シンポシウム(米国・バトンル-ジュ市)で発表し,好評を博した。 次にGが正の実数のなす乗法群の場合に,Xの1次元分布がルベ-グ測度と互いに絶対連続であること,その密度関数がある種の積分正測性をみたすこと,を仮定することによって,Yの平均が2乗総和可能列であることがP〜Qとなるための十分条件であることを示した。しかしこの場合は対数写像を考えるとGが実数加群の場合と本質的には同じであると考えられる。 またXが実確率変数列でYが正値確率変数列の場合にもP〜Qとなるための十分条件が得られた。しかしこのような簡単な場合でも必要条件はかなり難しいことが分かった。 他方,ユークリッド空間上の局所可積分関数の最大関数について,(p,p)強有界性が次元に無関係に得られることがStein & Stroembergによって証明されている。これは無限次元ガウス測度の密度定理を考える上で大いに参考になりそうな結果がある。ところがその証明は大変難解である。そこでまず今年度はこの結果に完全証明をつけることから始めた。その成果は博士前期課程大塚正治君の修士論文としてまとめた。 さらに分担者達もそれぞれの立場から成果を得た。
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