研究課題/領域番号 |
06640378
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米谷 民明 東京大学, 教養学部, 教授 (10091521)
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研究分担者 |
一瀬 郁夫 東京大学, 教養学部, 助手 (20159841)
和田 純夫 東京大学, 教養学部, 講師 (00158693)
加藤 光裕 東京大学, 教養学部, 助教授 (80185876)
風間 洋一 東京大学, 教養学部, 教授 (60144317)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 場の理論 / 弦理論 / 超弦理論 / 重力 / 量子重力 / 重力場 / 行列模型 / ブラックホール |
研究概要 |
行列模型と弦理論の研究(担当:米谷):(1)ブラックホールを表す行列模型として我々が提案した模型(deformed matrix model)と対応すると予想されているSU(2,R)/U(1)WZW共形場理論との比較を行うために、後者の基底代数構造(groud ring)をブラックホール質量に関する摂動論より調べ、確かに代数構造に類似性があることを示した。(2)タキオンの凝縮を表すと考えられる通常のc=1弦理論の散乱振幅の高エネルギー極限を半古典近似を用いて調べ、弦の広がりの効果により、散乱のphase shiftが粒子の場合に比べて2倍になることを示した。(3)弦の場の理論を行列模型の2重スケーリング極限として、弦上の物質配位について制限を設けずに導くことに成功した。これらの成果はまだ未発表であるが現在いずれも論文を準備中である。 二次元の可解なディラトン量子重力模型の研究(担当:風間):厳密に量子化できるひとつのモデルにおいて、物質場の入射衝撃波によってブラックホールが生成される過程を記述する物理的状態を構成し、その状態における計量及び物質場のエネルギー運動量テンソルの量子力学的平均値を厳密に計算することによって、量子重力理論の厳密な取り扱いにおける時空描像の抽出法を具体的に示した。さらに、ディラトン量子重力模型を二次元非線形シグマ模型の立場から一般的に捉え直すことによって、可解性の基礎となっている強力な対称性を同定した。これにより、可解なディラトン量子動力模型を統一的に理解することに成功すると共に、新しい一連の可解模型を提唱した。 位相的弦理論および有効作用法の研究(担当:加藤)(1)c=1 stringのdiscretestatesは、理論のtopologicalな性質と関係があると期待されていたが、実際にそれらがある種のtopological sigma modelのphysical statesとして理解できることを、後者を前者のFock space上に於いてbosonizationとして実現することによって示した。(2)自発的対称性の破れがある場合、通常摂動の有限次までの計算では、有効ポテンシャルの凸性は保たれていない。我々は、摂動計算を安定な真空から行うことにより、凸性を持った有効ポテンシャルを第0次として与える新しい展開法を開発した。 dilaton場があるときの宇宙模型およびblack holeのまわりの量子論(担当:一瀬)(1)弦理論などの統一理論ではdilaton場が存在する。その宇宙論模型への影響を、数値的方法で調べ、解の安定性と量子場の種類との関係を明らかにした。(2)black holeのまわりの量子場のエントロピーへの寄与は、紫外発散するがその物理的意味を明らかにすることが課題になっている。そこで3次元の場合について厳密な方法によりエントロピーを計算し現在その意味について解析を進めている。
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